#39 日本茶 〜八十八夜

みなさん、こんにちは。日本語教師のたまです。
この番組は、日本語を勉強している人のためのpodcastです。
日本の生活や文化、日本語のことについて、できるだけわかりやすい日本語で話します。

***********

5月になりましたね!ゴールデンウイークですね!
みなさん、いかがお過ごしですか?

5月の初めの、この時期、日本の昔のカレンダーで「八十八夜(はちじゅうはちや)」という日があります。
八十八の夜、と書くんですが、これは、立春から八十八日目のことをいいます。
立春は、季節の言葉で、春が始まる、という意味でした。今年の立春は2月4日でした。
それから八十八日目、5月1日、この日を「八十八夜」といいます。

この時期は、ちょうど春から初夏(しょか)へと移り変わる季節、そろそろ夏が始まるなあ、という季節です。
農家では「八十八夜」を目安(めやす)に、種まきや田植えなどの農作業をします。

「八十八夜」といえば「茶摘み(ちゃつみ)」お茶の畑で、お茶の葉を摘む、収穫(しゅうかく)する時期です。

お茶の葉は、1年に3回から5回、収穫することができます。
特に、一番最初に収穫される「新茶」新しい茶、と書いて「新茶」、それがもっとも美味しいといわれています。
「八十八夜」の頃が、ちょうど「新茶」の収穫の時期になります。
この時期、日本の各地で、お茶の収穫、茶摘みが行われます。

5月になりましたから、そろそろお茶屋さん、お茶のお店で、「新茶」の販売が始まりますね。
お茶のパッケージに「新茶」というシールが貼ってありますから、すぐわかります。
お店で見かけたら、ぜひ買って試してみてくださいね。
「新茶」は渋みや苦みが少なくて、香りがさわやかで飲みやすいです。

さあ、そんなわけで、今日は日本茶のお話です。
みなさんは日本茶、好きですか?

日本茶には、煎茶(せんちゃ)、抹茶(まっちゃ)、ほうじ茶などいろいろな種類があります。

みなさんがよく見たり飲んだりするのは、一般的な「煎茶」でしょう。
お茶の形は細長い棒のような形をしています。急須(きゅうす)というポットの中に、お茶の葉を入れて、お湯を入れます。そして湯呑み(ゆのみ)、お茶を飲むカップですね、それで飲みます。
少し苦くて、渋い味がするお茶です。食事の後、煎茶を飲むと口の中がさっぱりして気分が落ち着きます。食後にお茶がないと、さびしいなあと思うくらい、習慣になっています。

それから「抹茶」も有名ですね。
抹茶はふつうは茶道(さどう)、日本の伝統的(でんとうてき)なお茶の儀式(ぎしき)、セレモニーのときに飲みます。
みなさんは茶道の経験がありますか?テレビなどで見たことがあるかもしれませんね。
「抹茶」は粉になっていて、お茶碗(ちゃわん)にお湯を入れて、かき混ぜて飲みます。煎茶より旨みがあり、濃い味がします。
お茶として飲むだけでなく、お菓子やアイスクリーム、ドリンクなどにも使われます。
実は、わたしは抹茶味のスイーツやドリンクに目がないです。目がない、というのは夢中になるほど大好き、という意味です。たとえば、いろいろなスイーツがあって、どれでもいいですよ、選んでください、と言われたら、必ず抹茶味のものを選びます。もし、わたしに何かプレゼントをしたいと思ったら、抹茶味のものを選んでくれれば、わたしは絶対喜びます。そのくらい好き、という意味です。

「ほうじ茶」というのは、お茶の葉をほうじたもの。ほうじる、というのは鍋にお茶の葉を入れて、強火、強い火にかけて、水分をなくして、からからに乾いた状態にすることです。茶色くなるまでほうじると、香ばしい、いい香りがします。ほうじ茶はカフェインが少ないので、子どもや病気の人も飲むことができます。

それから日本茶には、いろいろな効能(こうのう)、いい効果があります。

たとえば、風邪の予防(よぼう)、風邪が流行(はや)っているときに飲むと、風邪にかかりにくくなるとか、殺菌(さっきん)、菌を殺す、ウイルスを殺すなどの作用(さよう)、働きがあります。あと、眠いときに飲むと、眠くなくなるので、勉強に集中(しゅうちゅう)したい時や、長い時間運転する時とかに飲むといいですね。ビタミンも豊富で、肌をきれいにする効果もあるそうです。

お茶はおいしいだけでなく、からだにもいいヘルシーな飲み物なんですね。

わたしはできるだけ、農薬(のうやく)を使わない有機栽培(ゆうきさいばい)のお茶が飲みたいと思っています。農薬や殺虫剤(さっちゅうざい)を使わないでお茶を作れば、土や水が汚染(おせん)されない、汚されないので、環境(かんきょう)にいいですよね。それに、お茶は洗わないで、そのままお湯を注いで飲みますので、農薬が残っていない方がいいと思います。

農薬を使わないでお茶を作るのは、とてもとても大変なので、お茶の値段は一般のものより高くなります。でも、せっかくからだにいいものを飲むんだから、安全なものが飲みたいなあと思っています。

日本には「朝茶」という文化があります。「朝茶」とは、朝に飲むお茶、朝にお茶を飲む習慣のことを言います。
朝は、仕事や学校の準備、家事など、いろいろ忙しいですね。
そんな忙しい時でも、ていねいに淹れた一杯のお茶を味わうことで、ゆったりと心を落ち着けてリラックスすることができます。
1日の始まりに、そんなゆとりの時間があるといいですよね。

新茶がおいしい時期です。
みなさんもお好きなお茶を選んで、日本茶を楽しんでみてくださいね。

***********

はい、今日のお話はここまでです。最後に、今日のエピソードに出てきた単語を復習しましょう。 リスニングの練習です。WEBサイトのスクリプトに答えがありますので、チェックしてくださいね。では、始めましょう。

1 八十八夜(はちじゅうはちや)
2 立春(りっしゅん)
3 初夏(しょか)
4 目安(めやす)
5 茶摘み(ちゃつみ)
6 収穫(しゅうかく)
7 新茶(しんちゃ)
8 渋み(しぶみ)
9 苦み(にがみ)
10 煎茶(せんちゃ)
11 抹茶(まっちゃ)
12 ほうじ茶(ほうじちゃ)
13 急須(きゅうす)
14 湯呑み(ゆのみ)
15 伝統的(でんとうてき)
16 儀式(ぎしき)
17 お茶碗(おちゃわん)
18 ほうじる
19 香ばしい(こうばしい)
20 効能(こうのう)
21 殺菌(さっきん)
22 作用(さよう)
23 お茶を淹れる(おちゃをいれる)
24 ゆとり

***********

はい、今回は日本茶についてお話ししました。

このPodcastを気に入っていただけましたら、フォロー・評価いただけるととっても嬉しいです。
今日も最後までお聞きいただきありがとうございました。
それでは、今日はここまで。
また次回、お会いしましょう。

********************

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です