#43 梅干し

みなさん、こんにちは。日本語教師のたまです。
この番組は、日本語を勉強している人のためのpodcastです。
日本の生活や文化、日本語のことについて、できるだけわかりやすい日本語で話します。

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今日は5月31日。5月ももう終わりますね。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
私が暮らしている長野では、今週はすごい大雨が降りました。
天気予報によると、沖縄はもう梅雨入り、梅雨の季節に入ったらしいですね。
これから雨が続く季節になりますね。
わたしは雨の日は嫌いじゃないです。
家の中にいて、窓から雨が降る外の景色を眺めて過ごすのは、気分が落ち着くので好きです。
でも大雨はいろいろな災害を引き起こすことがあるので、困りますね。

さて、今日は梅干しについてお話ししようと思います。
赤くて、丸くて、すっぱくて、しょっぱい梅干し。
梅干し、みなさん、梅干しを食べる機会ってありますか?
たぶんおにぎりが一般的ですね。梅おにぎり、コンビニとかでも売ってますよね。
それからお弁当、コンビニやスーパーで売っているお弁当にも入ってるかな。
梅干しは、殺菌効果、悪い細菌の働きをおさえる効果があるといわれています。
夏は、気温が高くなるし、湿気も増えるし、食べ物が腐りやすくなりますよね。
おにぎりやお弁当に梅干しを入れるとご飯が腐りにくくなると考えられています。

今日、どうして梅干しの話を始めたかというと、
今がちょうど、梅干しを作る、梅を漬ける時期だからです。
梅雨に入る少し前、ちょうど今ごろ、梅の木に梅の実がなります。実ります。
緑色の丸い実です。
青梅、っていいます。
青梅。え、ちょっと待って。さっき緑色って言ったよね。どうして青?青梅?
いいところに気がつきましたね〜。そうなんです。
日本語では、目で見て緑色のものを青、という表現があるんです。けっこうたくさんあります。
聞いたことありますか?
たとえば信号。信号の色は、赤、黄色、緑。目で見て緑ですけど、青信号っていいますよね。
ほかにも、青葉、青虫、青りんご、などなど。目で見て緑に見えるものを青という表現があります。
どうして緑に見えるものを青というんでしょうか。これはいろんな説、考え方があるんですけれど
簡単にいうと、古い日本語では、色の言い方は「赤」と「青」しかなかった。そして緑や、藍色、濃い青などの色も、全部「青」という言葉で表現されていた、ということのようです。「緑」という言葉が生まれたのは、比較的新しいそうです。とはいっても、1000年前くらい、けっこう古いですけどね。
ほんとうに古い古い日本語の言葉の感覚が、今も生きているということなんですね。おもしろいですよね。

さて、梅干しの話に戻りましょう。
梅干しは、青梅を塩と一緒に漬けて作ります。
今日は、その作り方を簡単にご紹介しましょう。

まず、梅を洗います。
それから洗った梅の水分をきれいに拭き取ります。
保存容器、保存する入れ物に、梅と塩を交互に入れます。交互というのは、たとえば、梅を少し入れたら、次に塩を入れて、また今度は梅を入れて、次に塩を入れる、というふうに、かわるがわる、することです。
梅と塩を全部入れたら、重しを乗せます、重しとは、重いものを上に乗せて、おさえつけるものです。
これで第一段階、「塩漬け」が完了です。
しばらく置いておくと、梅から水分が出て、塩が溶けます。この梅から出た水分のことを「梅酢(うめず)」といいます。水分がどんどん増えて、梅が全部梅酢の中に浸(つ)かります。浸かるというのは、水分の中に全部入る、沈むという状態です。これを梅雨明けまで保管します。梅雨明けとは、梅雨の時期が終わることです。地域によりますが、だいたい7月の半ばくらいに梅雨が明けます。

梅雨が明けたら、梅を干します。天気がいい日に、梅を容器から出して、平らなザルに並べます。水分がなくなって乾いて、梅がしわしわになるまで干します。これで梅干しの完成です。

梅干しができあがるのは。7月終わりくらい。ちょうど気温も高くなって、食べ物が腐りやすくなる季節に、梅干しができあがる。すごいタイミングいいですよね。

どうですか?梅干しを作るのは、けっこう手間もかかるし、時間もかかりますね。
今は、自分で梅干しを作る人は少なくなっています。
でも、わたしが住んでいる地域は梅の産地なので、まわりに梅の木がたくさんあります。近所の人たちはみんな、自分で梅干しを作っています。

わたしのうちの庭にも梅の木があります。小梅、といって、小さいサイズの梅です。うちは、去年漬けた梅干しがまだ残っているので、今年は梅の砂糖漬け、甘い梅をつくろうかなあ〜なんて考えています。


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では、最後に、今日のエピソードに出てきた単語を読みます。聞き取ってみてくださいね。答えはWEBサイトのスクリプトにあります。では、始めましょう

1 梅雨(つゆ)
2 災害(さいがい)
3 梅干し(うめぼし)
4 殺菌効果(さっきんこうか)
5 梅を漬ける(うめをつける)
6 交互(こうご)
7 重し(おもし)
8 おさえつける
9 塩漬け(しおづけ)
10 梅酢(うめず)
11 ざる
12 梅が浸かる(うめがつかる)
13 手間がかかる(てまがかかる)

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はい、今回は梅干しについてお話ししました。いかがでしたか?

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今日も最後までお聞きいただきありがとうございました。
それでは、今日はここまで。
また次回、お会いしましょう。

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