#19 秋が深まる

みなさん、こんにちは。日本語教師のたまです。
この番組は、日本語を勉強している人のためのpodcastです。
日本の生活や文化、日本語のことについて、できるだけわかりやすい日本語で話します。

今日は10月20日。10月も半分以上過ぎました。みなさん、お元気ですか?最近、空を見上げたことがありますか?空の色が、夏と比べて濃い青になったなあ〜と思いませんか?
わたしのうちの庭には柿の木があります。柿の実がだいぶオレンジ色に色づいてきました。
色づく、というのは、果物などが熟して、色が変わることです。
緑色の柿の実が、日に日にオレンジ色になっていきます。
柿が色づくにつれて、気温が下がり、秋も深まっていきます。

「秋が深まる」今日はこの「秋が深まる」と言う表現について、お話ししたいと思います。

「深まる」の意味は、「だんだんと深くなる」という意味です。
「秋が深まる」これは、秋の特別な表現です。秋以外の季節、たとえば、春や夏に、「春が深まる」「夏が深まる」という表現は、ほとんどしません。どうしてでしょうか。「秋が深まる」とは、どういう意味なのでしょうか。

秋は、気温が急に下がり、日も短くなります。木の葉の色が緑から、赤や黄色に変わります。空の色も薄い青色から、濃い青に変わります。季節の変化が、階段を降りるように、とんとんとん、と変わっていきます。夏が終わって、秋だなあと感じてから、だんだんと秋らしさが濃くなっていく、秋の様子が濃くなっていく、その変化を「秋が深まる」と表現しているのです。

色が濃いことを、色が深い、とも言いますね。「秋が深まる」という言葉は、木の葉の色、空の色などが、だんだんと濃くなることからも、イメージしているのかもしれません。

また、秋は夜が長いですね、日が短くなって、夜が長くなると、なんとなくさびしいような気持ちになります。夜の暗さも濃くなっていく。そんな感じも表現されているように感じます。

「秋が深まる」と言う表現は、季節の移り変わりを繊細(せんさい)に細かく感じる日本人の感性(かんせい)から生まれた表現なんですね。

「秋が深まる」という表現は、メールや手紙の挨拶文(あいさつぶん)によく使われます。日本語のメールや手紙では、本文(ほんぶん)を書く前に、季節の挨拶を書く習慣(しゅうかん)があります。春夏秋冬、季節それぞれに、その季節の様子を表現する挨拶文がたくさんあります。

今の時期はちょうど、こんなふうな季節の挨拶を書きます。

「日に日に秋が深まってまいりました。」
「秋も深まり肌寒くなってまいりました。」
「木々の色づきに秋の深まりを感じる頃となりました」

いかがですか?季節感を大切にする日本独特の習慣です。もしメールや手紙で、季節の挨拶が書けるようになれば、あなたの日本語力は超上級ですね!

さて、今日は「秋が深まる」という表現についてお話ししました。みなさんは、どんなときに「秋が深まる」と感じますか?メッセージをいただけたら嬉しいです。質問やリクエストもお待ちしています。概要欄にリンクがありますので、そちらをクリックして、フォームに記入してください。

もし、聞いてわからない言葉があったら、WEBサイトに文字で書いた文が載っていますので、そちらを見てくださいね。

このPodcastを気に入っていただけましたら、フォロー・評価いただけるととっても嬉しいです。
今日も最後までお聞きいただきありがとうございました。
それでは、今日はここまで。
また次回、お会いしましょう。



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