156 夏の夜と日本の妖怪|Summer Nights and Japanese Yokai|夏夜與日本妖怪


みなさん、こんにちは。「てくてく日本語」日本語教師のたまです。この番組は、日本語を勉強している人のためのポッドキャストです。日本の生活や文化、日本語のことについて、できるだけわかりやすい日本語でお話します。


みなさん、こんにちは。今日も聴いてくださって、ありがとうございます。
毎日、暑いですね。みなさんは、夏の夜をどんなふうに過ごしていますか。冷たいものを食べたり、エアコンのきいた部屋でゆっくりしたり。いろいろな過ごし方がありますよね。


日本では、夏になると、怖い話を聞いたり、お化け屋敷に行ったりする人が増えます。お化け屋敷というのは、暗い建物の中を歩きながら、お化けに驚かされる場所です。遊園地や夏のイベントなどで、よく見かけます。


でも、どうして暑い夏に、わざわざ怖い話をするのでしょうか。
怖い話を聞くと、体がぞくぞくしたり、鳥肌が立ったりしますよね。「鳥肌が立つ」というのは、怖いときや寒いときに、腕などに小さなぶつぶつが出ることです。怖い話を聞くと、背中がすっと寒くなるような感じがします。そのため、暑い夏に怖い話を楽しむようになったとも言われています。
それからもう一つ、日本の夏には「お盆」があります。お盆は、亡くなった家族や先祖の魂が帰ってくると考えられている時期です。こうしたことも、夏と、不思議な話が結びついた理由の一つかもしれません。

ということで、今日は、日本の昔話や伝説に出てくる「妖怪」についてお話しします。


みなさんは、「妖怪」という言葉を聞いたことがありますか。妖怪は、人間ではない、不思議な存在です。昔から、山や川、海、家の中など、いろいろな場所にいると考えられてきました。人を怖がらせる妖怪もいれば、いたずらをする妖怪もいます。中には、人を助ける妖怪もいるんですよ。今日は、日本で特によく知られている三つの妖怪をご紹介します。

河童、天狗、そして鬼です。

まずは、河童です。河童は、川や池に住んでいると言われる妖怪です。大きさは子どもくらいで、頭の上には、お皿のようなものがあります。そして、背中には、亀の背中のような硬い甲羅があります。頭のお皿には水が入っていて、その水がなくなると、力が弱くなってしまうと言われています。ちなみに、河童は、きゅうりが好きだと言われています。日本の巻き寿司に、きゅうりを巻いたお寿司があります。それを「かっぱ巻き」といいます。河童がきゅうりを好きだと言われていることから、「かっぱ巻き」という名前がついたそうです。おもしろい名前ですよね。
今では、河童はかわいいキャラクターとして描かれることもあります。でも、昔の話では、人を川の中へ引き込む、怖い妖怪として登場することもありました。川や池は、昔から危険な場所でした。特に、子どもにとっては、とても危ないですよね。そのため、大人たちは子どもに、「川に近づくと、河童に連れていかれるよ」と言って、注意したのかもしれません。河童の話には、水の怖さも表れているんですね。

次は天狗です。天狗は、山に住んでいると言われる妖怪です。みなさんは、天狗の顔を見たことがありますか。顔は赤くて、鼻がとても長い。背中には羽があり、手には大きなうちわを持っています。天狗は、空を飛んだり、強い風を起こしたりすると言われています。昔の人にとって、山は不思議で、少し怖い場所でした。山の中で、急に強い風が吹いたり、変な音が聞こえたり、道に迷ったりすることがありますよね。昔の人は、そういう不思議な出来事を、「天狗がしたことだ」と考えたのかもしれません。
天狗はそういう不思議な存在であるとともに、山を守ったり、山に入る人を案内したりする役割も持ちます。神様のお使いとして、困った人を助けたり、悪いことから守ってくれる、そういう存在でもあります。

そして、最後は鬼です。鬼は、河童や天狗よりも、知っている人が多いかもしれませんね。鬼は、頭に角があって、体が大きくて、とても力が強い存在です。虎の皮のような服を着ていることもあります。そして、手には、鉄でできた太い棒を持っています。この棒を「金棒」といいます。
鬼は、日本の昔話によく登場します。有名なのは、「桃太郎」です。桃太郎は、犬、猿、きじを仲間にして、鬼が住む島へ向かいます。その島の名前は、「鬼ヶ島」です。桃太郎たちは鬼ヶ島へ行き、鬼と戦います。
また、日本では、2月の節分の日に、「鬼は外、福は内」と言いながら、豆をまきます。ここでいう鬼は、病気や悪いことを表しています。豆をまいて、悪いものを家の外へ追い出し、福を家の中へ呼びます。
こんなふうに、鬼は怖くて悪い存在として描かれることが多いです。
でも、鬼はいつも悪いとは限りません。昔話や伝説の中には、人を助ける鬼や、悲しい気持ちを持つ鬼も登場します。最近では、漫画やアニメにも、いろいろな鬼が出てきますよね。怖い鬼、強い鬼、やさしい鬼。昔とは少し違う鬼の姿も描かれています。

さて、今日は、河童、天狗、鬼の三つを紹介しました。河童は川に、天狗は山に、鬼はいろいろな場所に現れます。
昔は、どうして起きたのかわからないことが、今よりもたくさんありました。川で人がいなくなった。山の中で不思議な音を聞いた。悪いことが続いた。そんなとき、昔の人は、「妖怪がしたのかもしれない」と考えたのでしょう。


また、妖怪の話には、子どもたちに危険を教える役割もあったのかもしれません。
「川に近づいてはいけない」「夜、一人で外へ出てはいけない」「悪いことをしてはいけない」
ただ注意するよりも、妖怪の話にしたほうが、子どもの心に残りますよね。


今では、妖怪は怖いだけの存在ではありません。
漫画やアニメ、映画、ゲームなどにも登場します。かわいいキャラクターとして親しまれている妖怪も、たくさんいます。
怖いけれど、どこかおもしろい。不思議だけれど、少し身近に感じる。それが、日本の妖怪なのかもしれません。

みなさんの国にも、河童や天狗、鬼のような存在はいますか。山や川に住んでいる不思議な生き物や、子どものころに聞いた怖い話はありますか。よかったら、ぜひ教えてくださいね。


では、今日出てきたことばを、いっしょに確認しましょう。まず、単語をゆっくり読みます。次にナチュラルスピードで読みます。リピートやシャドーイングの練習に使ってみてください。それでは、はじめます。

No. 語彙 読み方 英語 中文
1 お化け屋敷 おばけや\しき haunted house 鬼屋
2 鳥肌が立つ とりはだ¯がた\つ to get goosebumps 起雞皮疙瘩
3 妖怪 よーかい¯ yokai; supernatural creature 妖怪
4 先祖 せ\んぞ ancestor 祖先
5 た\ましー soul; spirit 靈魂
6 伝説 でんせつ¯ legend 傳說
7 甲羅 こーら¯ shell; carapace 甲殼;龜殼
8 引き込む ひきこ\む to pull someone into 拉進去;拖入
9 金棒 かなぼー¯ iron club 鐵棒
10 追い出す おいだ\す to drive out; force out 趕出去

今回も最後までお聞きいただき、ありがとうございました。

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それでは、また次回。
みなさん、よい週末をお過ごしください。

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