#13 9月の行事「秋分の日」

みなさん、こんにちは。日本語教師のたまです。
この番組は、日本語を勉強している人のためのpodcastです。
日本の生活や文化、日本語のことについて、できるだけわかりやすい日本語で話します。

みなさん、9月のカレンダーはありますか?日本のカレンダーがあれば、ちょっと見てみてください。
日曜日以外に、18日と23日は、数字の色が赤くなっていますね。
これは国民の祝日で、学校や会社などが休みになる日です。

前回は9月18日、「敬老の日」のお話をしました。
今回は9月23日、「秋分(しゅうぶん)の日」についてお話ししたいと思います。

「秋分の日」とは、どんな日なんでしょうか?

一年の中で、昼の時間の長さと夜の時間の長さが同じになる日が2回あります。春に1回、秋に1回。
そのうちの秋の方を「秋分(しゅうぶん)」と呼びます。
春の方は「春分(しゅんぶん)」と呼びます。
「秋分」「春分」ちょっと聞き分けにくいですね。

「秋分の日」は、毎年、9月の23日頃です。実際(じっさい)に、昼の長さと夜の長さが同じになる日が選ばれるので、決まった日はありません。毎年違います。

「秋分」は「秋を分(わ)ける」と書きます。
この日を境(さかい)に、暑い夏から涼しい秋へと変わりはじめ、夜の長さが長くなっていきます。
暑い夏もそろそろ終わるので、ほっとしている人も多いんじゃないでしょうか。
わたしは夏が好きなので、ああ、もう夏も終わるんだなあ〜と思って、ちょっとさびしくなります。

秋分の日と、前後3日間を合わせた7日間のことを「秋のお彼岸(ひがん)」と呼びます。
今年の場合は、9月23日が秋分の日ですから、9月20日から26日までが、秋のお彼岸ということになります。

「彼岸」というのは、仏教(ぶっきょう)の考え方で、亡くなった人、ご先祖様がいる世界のことを指(さ)します。遠い遠い西の方にあると考えられていました。
一方、わたしたちが生きている世界は「此岸(しがん)」と呼び、反対側の東にあるとされてきました。

秋分の日は昼と夜の長さがほぼ同じになるので、この日は「彼岸」ご先祖様がいる世界と、「此岸」わたしたちが生きているこの世界との距離(きょり)が一番近くなると考えられました。ご先祖様に一番近づいて、感謝の気持ちを表しやすい日だと考えられるようになりました。

それで、お彼岸には、先祖のお墓に行ってお墓参りをしたり、仏壇(ぶつだん)にお供(そな)えをしたりします。

お彼岸のお供え物といえば、「おはぎ」が有名です。
おはぎは、もち米を炊いて、軽くついて丸めたものに、小豆のあんや、きなこ、黒ゴマなどをまぶして作ります。
赤い小豆、黄色いきなこ、黒い黒ゴマ、3色のおはぎが並ぶと、秋だなあ〜と感じます。

実は、お彼岸は、日本独自(どくじ)の、日本だけの行事だそうです。仏教が信じられているインドとか中国とか、他の国には、お彼岸の行事はないそうです。お彼岸は平安時代(へいあんじだい)、今から1000年以上も前から行われているそうです。日本人の生活や気持ちに古くから染み込んだ風習(ふうしゅう)なんですね。

さて、今回は「秋分の日」についてお話ししました。「秋分の日」は、昼の長さと夜の長さが同じになる日です。
そして、「秋分の日」がある7日間を「秋のお彼岸」といって、おはぎなどをお仏壇にお供えしたり、お墓参りをしたりします。

厳しい暑さから、だんだん秋に近づき、過ごしやすくなっていく9月。
みなさんは9月にどんなことがしたいですか?なにか予定を立てていますか?

このPodcastのスクリプトは、ホームページに載っています。こちらもぜひチェックしてみてください。

それでは、今日はここまで。
また次回、お会いしましょう。





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