145 日本人とチップの距離感|Tipping and Personal Distance in Japan|小費與日本人的距離感
みなさん、こんにちは。「てくてく日本語」日本語教師のたまです。
この番組は、日本語を勉強している人のためのポッドキャストです。
日本の生活や文化、日本語のことについて、できるだけわかりやすい日本語でお話します。
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今日は「日本人とチップの距離感」と言うテーマでお話しします。
先日、松本に行った時のことです。
駅前でバスを待っていたら、すぐ近くにタクシーが止まりました。
タクシーから、海外からの旅行者が4人降りてきました。
そして、車の後ろのドアから、大きな荷物を下ろしていました。タクシーの運転手さんも、一緒に荷物を下ろすのを手伝っていました。
荷物を全部下ろし終わると、旅行者のひとりが、運転手さんに握手をしました。
その時、握手をしながら、チップを渡していたんです。
運転手さんは、ちょっとびっくりしていました。少し申し訳なさそうな顔をしていたけど、うれしそうでした。
握手をしながらチップを渡すなんて、なんだかスマートだなあと、思って見ていました。
その雰囲気を見ながら、私は、その旅行者と運転手さんが、どんな時間を過ごしていたのかを想像しました。
もしかしたら、運転手さんは、おすすめのお店を教えたり、観光地について話したりしたのかな、とか
あるいは、お客さんが行きたい場所に、わざわざ遠回りして連れて行ったのかもしれないな、とか。
ただA地点からB地点へ移動しただけではなく、その間に、小さな「旅」があったような感じがしました。
ただ、もちろん、本当のところはわからないです。
普通にタクシーに乗っただけのことかもしれません。
でも、日本では、チップを渡すことも、受け取ることも、あまり一般的じゃないですよね。
だから私は、その場面に、ちょっと「特別な感じ」を受けたんです。
日本では、サービスをしてくれた人へ直接お金を渡すということはあまりしません。
でも、それは、「サービスへの感謝がない」っていう意味ではないんですね。
たとえば、レストランや居酒屋で、サービス料や席料、お通し代などが、最初から料金に含まれていることがあります。
だから、「サービスに対して追加でお金を払う感覚」が、まったくないわけではありません。
ただ、そのお金は、サービスをしてくれた人へ直接渡すのではなく、お店のシステムとして払う形になっていることが多いです。
そこに、日本らしい距離感があるのかもしれないですね。
そんな中で、スターバックスの接客は、日本の中では少し独特じゃないかなと思います。
店員さんが気軽に話しかけてきたり、ちょっとした会話をしてくれたりしますよね。
わたしも最初、店員さんに、親しげに「ブラックコーヒーお好きなんですか〜」って話しかけられて、少しびっくりしたことがあります。
日本のカフェでは、あまりない距離感だなあと感じました。
そういう距離感を、心地いいと感じる人もいれば、少し恥ずかしいなあ、とか、ちょっと照れるなあ、と感じる人もいるかもしれません。
最近は、むしろレジでお店の人と話すことが少なくなっている気がします。
セルフレジやモバイルオーダー、タッチパネルでの注文が増えて、店員さんと目を合わせたり、会話をしたりする機会が減りましたよね。
便利だし、気楽なところもあります。
でもその一方で、サービスの中にある人とのやり取りは、少し減っているかもしれません。
海外から来た人の中には、いいサービスを受けた時、「ありがとう」の気持ちをチップで伝えたいと思う人もいると思います。
それは、ただお金を渡したいということではなくて、
「あなたのおかげで、いい時間になりました」とか
「親切にしてくれて、うれしかったです」
「とても助かりました」
という気持ちを、形にして伝えたいということなんだと思います。
一方で、日本では、チップを受け取る習慣があまりありません。
だから、チップをもらった人は、うれしい気持ちはあっても、同時に少し戸惑うかもしれません。
「受け取っていいのかな」とか
「お店のルールとしては大丈夫かな」
「返したほうがいいのかな」とか
そんなふうに考える人もいると思います。
でも、チップを渡した人にとっては、それは自然な感謝の表し方だし、受け取った人にとっても、「自分の仕事を喜んでもらえた」ということは、やっぱりうれしいことだと思います。
松本駅前で見た、タクシーの運転手さんと旅行者のやり取りは、文化の違いを超えて、気持ちが通じ合った一瞬だったのかなと思いました。
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では、今日出てきたことばを、いっしょに確認しましょう。まず、単語をゆっくり読みます。次にナチュラルスピードで読みます。リピートやシャドーイングの練習に使ってみてください。
それでは、はじめます。
| No. | 語彙 | ふりがな | 英語 | 中文 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | チップ | チ\ップ | tip, gratuity | 小費 |
| 2 | 距離感 | きょり\かん | sense of distance, personal distance | 距離感 |
| 3 | 握手 | あ\くしゅ | handshake | 握手 |
| 4 | 申し訳ない | もーしわけな\い | a little awkward | 不好意思 |
| 5 | 遠回り | とーま\わり | detour | 繞遠路 |
| 6 | 接客 | せっきゃく¯ | customer service | 接待、服務客人 |
| 7 | 独特 | どくとく¯ | unique, distinctive | 獨特 |
| 8 | 気軽 | きがる¯ | friendly; casual | 自然親切 |
| 9 | やり取り | やり\とり | interaction, exchange | 交流、互動 |
| 10 | 戸惑う | とまど\う | feel unsure | 不知所措 |
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最後に近況、わたしの最近のことをお話しします。
実は私、雑誌に掲載されたんです。掲載されたって言うのは、雑誌に載ったということです。
雑誌の名前は「クロワッサン」っていいます。40代から50代の女性向けに、健康とか料理、ファッションとか、ライフスタイルについての情報を発信している雑誌です。わたしも若い頃よく読んでいました。
この雑誌の中で
「好きなこと、得意なことで いくつになっても私らしく稼ぐ」というページがあって、 わたしが50代で日本語教育能力試験に合格したことや ひとりで台湾に暮らして日本語教師として働いたときのこと 今、オンラインレッスンを続けながら、日本語教員資格に向けて準備していることなど 取材していただきました。
私の家は、東京から高速バスで4時間かかるんですけど、編集者の方とカメラマンさんふたりで、わざわざ来てくださって、写真を撮ったり、お話ししたりしてくださいました。
私が若い頃からずっと読んでいたあこがれの雑誌に載せていただいて、ほんとに光栄だなあと思います。
そして、発信することは大事だなってあらためて思いました。Podcastはもちろん、わたしはnoteというブログのようなものも書いてるんですが、そうやって自分の活動を続けていると、今回のように見つけてくださる方がいるんだなあと、思いました。
そして、こうやって続けていられるのも、リスナーのみなさん、聞いてくださるみなさんのおかげだなあってほんとに思います。ありがとうございます。
そんなわけで、みなさん、もし今日本にいる方がいたら、本屋さんで「クロワッサン」見てみてください。写真だけでも見ていただけると、わたしがどんなふうに仕事をしているのか、わかっていただけるんじゃないかなと思います。雑誌の情報は概要欄に書いておきますので、ぜひチェックしてください。
それから、今日、本編でお話しした松本でのできごとですが、この時の松本の旅行のことを、Patreonのかえでコースのコンテンツでお話ししています。このエピソード1本だけ買うこともできますので、こちらももしよかったら、聞いてみてください。
それでは、今回も最後までお聞きいただき、ありがとうございました。
このPodcastを気に入っていただけたら、フォローや高評価をしていただけるとうれしいです。みなさんからのコメントも、とても励みになっています。いつもありがとうございます。
それでは、今日はここまでとなります。 みなさん、よい週末をお過ごしください。また次回、お会いしましょう。
- 雑誌「クロワッサン」(5/10発売 No.1165)に掲載されました!ぜひご覧ください😊
- 松本小旅行について、Patreon(有料)でお話ししています。(このエピソードのみの購入もできます)


