#99 夏越の祓(なごしのはらえ)|Nagoshi Purification|夏越除厄儀式

みなさん、こんにちは。「てくてく日本語」日本語教師のたまです。
この番組は、日本語を勉強している人のためのpodcastです。
日本の生活や文化、日本語のことについて、できるだけわかりやすい日本語でお話します。

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はい、みなさん、こんにちは。いかがお過ごしですか。

6月ももうすぐ終わろうとしています。あっという間ですね。

日本はいま、梅雨のシーズンなんですが、例年に比べて雨が少ないらしいです。梅雨の時期に雨の日が少ないことを、空梅雨(からつゆ)といいます。からつゆ。「から」は何もない、空っぽ(からっぽ)の「から」です。それで、雨が少ない、雨がない、ことを「空梅雨」といいます。空梅雨で、雨が少ないと、畑がからからにかわいちゃうんですよね。からから、は、水分がなくて乾いている様子。空梅雨の「から」は、からからに乾くっていう意味もあるかもしれないですね。

わたしは花粉症があるんですけど、今の時期はイネ科の植物の花粉症なんです。スギやヒノキの花粉症もあるんですが、その時期が終わって、6月のいまは、イネ科の植物の花粉があるんです。わたしは、スギやヒノキの時期より、今が一番つらいです。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、喉のイガイガなど、症状がひどいんです。

この花粉症もね、雨が降れば、少し楽になるんです。花粉が飛ばなくなるから。でも、空梅雨で、雨が少ないから、花粉の量も多いみたいで、ずっとつらい状態が続いています。

いま、このPodcastの録音をしていても、鼻がつまってて話しにくいし、声もガラガラだし、聞きにくくないですか?

雨がたくさん降りすぎるのも困るけど、降らないのも困りますね。


さて、今回は、6月の終わりのこの時期に行われる日本の行事についてお話しします。

タイトルは「夏越(なごし)の祓(はらえ)」です。
みなさん、「夏越の祓」って聞いたことがありますか?ちょっと難しい言葉ですよね。

これは日本の伝統的な行事で、6月の終わり、たいてい6月30日に行われます。1年の半分が終わるタイミングですね。

「夏越の祓」は、お正月から半年の間に少しずつたまったわるいものをきれいにして、残りの半年を健康で過ごせるように、という願いがこめられています。
いわば、夏を越える前の、魂の大掃除です。

さて、「夏越の祓」ですが、どんなことをするでしょうか。
この時期、神社に、「茅の輪(ちのわ)」という大きな輪がつくられます。「輪」これは、丸い形、リングです。
「茅の輪(ちのわ)」は、「ちがや」という草で作られた輪です。この大きい輪をくぐる行事、「茅の輪くぐり」を行います。「くぐる」とは、この場合、輪の中を通り抜けるという意味です。

「茅の輪」をくぐるときには、決まった方法、ルールがあります。

まず、左へ1回まわって、次に右へ1回まわって、最後にもう1回左にまわる。おもしろいですよね。ぐるぐると、8の字を書くように、くぐりながら、回るんです。このとき、「無病息災(むびょうそくさい)」、「病気をしませんように」とお祈りします。

これが「茅の輪くぐり」です。

先日、わたしも「茅の輪くぐり」に行ってきました。実は「茅の輪くぐり」をするのはすごく久しぶりで、やり方を忘れちゃっていました。「茅の輪」の近くにやり方が書いてあったんですけど、その時、私の後ろに待っている人がいたので、あまりちゃんと読まないで、始めちゃったんです。なので、もしかしたらやり方をまちがえていたかもしれない。ほんとは、「茅の輪」をくぐるとき、一回目は左足から、二回目は右足から、っていう決まりがあるんだけど、それを全然意識しないでやっちゃったんです。なので、正しくできたかどうかわからないです。もし時間があったら、もう一回やり直しに行こうかな、と思っています。

神社によっては、「人形(ひとがた)流し」という行事もあります。紙の人形に、自分の名前や年れいを書いて、その紙の人形で自分の体をなでて、ふーっと息をふきかけます。
これは、「自分のわるいものをこの紙にうつす」という意味です。
「いやなこと、わるいことは、紙にうつして川に流しましょう」というわけですね。からだと心の汚れをきれいにするための伝統的な方法です。

こうして、半年ぶんのけがれをはらって、また元気に後半、あと半年、残りの半年をすごしましょう、というのが「夏越の祓」です。

ちなみに、12月には「年越しの祓」という行事もあります。そう、年の終わりにも、またリセットがあるんです。
日本人は、リセットが好きなのかもしれませんね。

この時期には、和菓子「水無月(みなづき)」を食べることもあります。三角の形で、上に小豆がのっているおもちです。
見た目も涼しげで、おいしいですよ。お店で見かけたら、ぜひ試してみてくださいね。


「夏越の祓」、いかがだったでしょうか。もしチャンスがあったら、ぜひ、日本の神社で体験してみてくださいね。一年の後半に向けて、心も体も、さっぱりきれいにしましょう!


では、今日のエピソードに出てきた単語を練習しましょう。まず、単語をゆっくり読みます。そのあと、ナチュラルスピード で読みます。リピートやシャドウイングの練習に使ってみてください。WEBサイトに英語の訳と中国語の訳もついています。参考にしてくださいね。

それでは、始めます。

No. 語彙 ふりがな(発音) 英語 中国語
1例年れーねん¯usual year往年
2空梅雨からつゆ¯dry rainy season梅雨乾旱
3空っぽからっぽ¯empty空的
4からからからから¯parched/dry乾巴巴
5イネ科いねか¯grass family禾本科
6喉のイガイガの\どのいがいが¯scratchy throat喉嚨癢癢
7症状しょーじょ\ーsymptom症狀
8夏越の祓なごしのはらえ¯Nagoshi purification夏越除厄儀式
9茅の輪ちのわ¯ring of grass茅草圈
10くぐるくぐ\るto go through鑽過
11無病息災む\びょーそくさい¯health and safety無病無災
12人形流しひとがた¯な\がしpaper doll floating放人形
13息を吹きかけるい\きをふきかけ\るto blow breath吹氣
14けがれけがれ\impurity汙穢
15祓うはら\うto purify驅邪
16リセットりせ\っとreset重置
17さっぱりするさっぱ\りするto feel refreshed清爽

今日も最後までお聞きいただきありがとうございました。

7月1日は、Patreon「かえで」コースの「作文チャレンジ」で新しいお題を発表します。みなさん、ぜひチャレンジしてみてくださいね!

それでは、今日はここまでとなります。みなさん、よい週末をお過ごしください。
また次回、お会いしましょう。

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