#55 夏休みの思い出

みなさん、こんにちは。「てくてく日本語」日本語教師のたまです。
この番組は、日本語を勉強している人のためのpodcastです。
日本の生活や文化、日本語のことについて、できるだけわかりやすい日本語でお話します。

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みなさま、ごきげんいかがでしょうか。
お盆も終わって、暑さも少し和らいできた今日この頃でございます。
和らいだと言っても、日中、昼間はまだまだ暑いですけれど、朝、晩はもうエアコンいらないです。信州の夏は短いです。暑い暑いと言っていても、お盆が過ぎれば、もう空気が秋に変わってきます。このね、季節が夏から秋になるとき、この感覚がわたしはとても好きですね。

今日はね、ちょっと子どもの頃の夏休みの思い出をお話ししてみようかな、と思います。ちょっと雑談っぽく気楽にね、だらだらとしゃべってみようかなと思います。

わたしが子どもの頃、小学生ぐらいの頃ですから、今から50年くらい前のことですね。
わたしは東京生まれ、東京育ちなんですが、母親の実家、母親が生まれた家が長野県の北の方の、山の中にありました。それで、毎年夏休みには、その実家に行って、2週間くらいかな、そこで過ごしていました。ちょうど同い年、同じ学年のいとこがいて、一緒にあそんだり勉強したりしていました。実家には、母親の母親、わたしのおばあさん、それから母親の姉、わたしのおばさんがいて、その子どもたちもいて、そうですねえ、多い時は全部で10人くらい、その家に住んでいました。なので、今思えば、母親にとって、自分一人で子どもの世話をしなくていい環境だったんでしょうね。

わたしはいとこたちと一緒に、畑仕事を手伝ったり、川に泳ぎに行ったり、夏休みの宿題を一緒にやったりしていましたね。

そうそう、毎朝、近くの神社に行って、ラジオ体操もやっていました。近所の子どもたちも集まって、といっても10人くらいなんですけど、一緒にラジオ体操をしましたね。いとこたちは、学校でもらったカードを持っていて、ラジオ体操に行くとスタンプを押してもらっていました。わたしはカードを持っていなかったから、うらやましかったですね。

それから、いとこたちの小学校のプールにも行きました。うちから小学校まで、歩いて1時間くらいかかるんです。夏の山道を延々歩いて小学校まで行って、プールで思う存分遊んで、また1時間歩いて帰ってくる。これは、都会では経験できない思い出ですね。いなかに住んでいる子どもたちは、ほんとに体力があるなあと思いました。

そして、お盆の日が近づいてくると、お盆の飾りを用意するんですが、子どもたちもしっかり手伝わされました。掃除をしたり、料理をしたり、いろんなものを運んだり。お盆の時は、ふだん都会に住んでいる親戚の人たちもたくさん来るので、泊まるためのふとんの用意もしていました。
そしてお盆の夜は、総勢20人くらいの人たちで、ごちそうを食べて、大人はお酒を飲んで、子どもたちは歌を歌ったり踊ったりと、とてもにぎやかに過ごしました。

さらに、小学校の校庭では盆踊り大会も行われました。校庭の真ん中に大きなやぐらが組まれ、そのまわりをたくさんの人が輪になって踊っていました。老若男女(ろうにゃくなんにょ)、お年寄りも若い人も、男も女も、みんな楽しそうに踊っていました。わたしたちも浴衣を着て、汗だくになって踊りました。学校の近くの道にはずらっと屋台が並び、おもちゃやお菓子、服や靴などいろいろなものが売られていました。子どもたちは、特別におこづかいをもらって、アイスを買ったり、おもちゃを買ったりできたのも、楽しみでした。盆踊りの音楽が大音量で流れて、ちょうちんが明るく光って、お祭りの独特の雰囲気にワクワクしました。
最後に盛大に花火が打ち上げられ、花火が終わると、ああ、夏ももう終わるんだなあ、と子ども心に少しさびしさを感じたものです。

母親の実家は農家だったので、畑で野菜をたくさん作っていました。夏の野菜といえば、とうもろこし。とうもろこしは、畑で収穫してから、ゆでるまでの時間が長いと、どんどん甘みがなくなっちゃうんです。だから、畑に行く前に台所で大きい鍋にお湯を沸かしておいて、それから畑に行ってとうもろこしを取ります。畑で皮をむいてから、うちに持ち帰って、すぐに茹でる。なので、もう、めちゃめちゃ甘いんです。これはとうもろこしの一番ぜいたくな、おいしい食べ方だと思います。それから、すいか。大きいすいかは冷蔵庫に入らないので、井戸の水で冷やします。キンキンに冷えたすいかを、縁側で、種を飛ばしながら食べる。暑さでほてったからだが、すーっと冷えていく気持ちよさ。50年後の今でも、その感覚を思い出しますね。

いやあ、いろいろ懐かしいです。今の子どもたちは、どんな夏休みを過ごしているんでしょうね。こんなふうな田舎の夏を体験するのも、おもしろいかもしれないですね。

はい、今日は夏休みの思い出、わたしの50年前の夏休みの思い出についてお話ししてみました。

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今回は単語が多いので、音声での復習はしませんが、WEBサイトの方に載せておきますので、興味がある方は見てみてください。

今日も最後までお聞きいただきありがとうございました。
それでは、今日はここまで。
また次回、お会いしましょう。

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1 和らぐ やわらぐ
2 いとこ
3 世話をする せわをする
4 神社 じんじゃ
5 延々 えんえん
6 思う存分 おもうぞんぶん
7 親戚 しんせき
8 総勢 そうぜい
9 やぐら 櫓
10 輪になる わになる
11 老若男女 ろうにゃくなんにょ
12 汗だく あせだく
13 ずらっと
14 おこづかい
15 ちょうちん 提灯
16 盛大に せいだいに
17 井戸 いど
18 キンキンに
19 ほてる

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