#87 「桜」の言葉 花見/桜前線/桜吹雪/桜散る/花より団子
みなさん、こんにちは。「てくてく日本語」日本語教師のたまです。
この番組は、日本語を勉強している人のためのpodcastです。
日本の生活や文化、日本語のことについて、できるだけわかりやすい日本語でお話します。
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4月になりましたね!ついに、桜が咲き始めました。
先週までは、まだ寒くて、咲かないだろうなあっていう感じだったんですが、突然咲き始めました。
桜って、ほんとに突然、咲くんですよね。一斉に咲く。一斉に、とは、一度に、全部一緒に、という意味です。そして、咲いている時間は短い。咲き始めたな、と思ったらすぐに満開(in full bloom)になる。満開は完全に全部咲く、ということです。そして、だいたい、長くて2週間ぐらいで散ってしまうんですよね。
日本人が桜を好きな理由のひとつは、寒さが厳しい冬が終わって、春が来た、ということを実感できるからじゃないかなと思います。冬景色から一気に華やかな春の雰囲気になって、気持ちも明るくなります。
もうひとつの理由は、花が咲いている時間が短いこと。待ちに待った桜がやっと咲いたと思ったら、すぐ散ってしまう。日本人はこのような「短い命」に感情を動かされるんですね。
桜は日本人にとって特別な花なので、桜に関係がある言葉もいろいろあります。
今回は、そんな桜に関係のある言葉をいくつか紹介します。
まず、一つ目の言葉は「花見(はなみ)」です。「お花見」みなさん聞いたことありますよね。
花見の花は桜のことです。お花見は、桜の花を見ながら食べたり飲んだりする行事です。
日本では、桜が咲くと、桜の花を見るために、公園や山など、桜が咲いているところに行って、みんなでお弁当を食べたり、お酒を飲んだりしながら、桜を楽しみます。
これは昔からある日本の文化です。
場所によっては、夜にライトアップされた桜を楽しむ「夜桜(よざくら)」も人気です。
お花見の時期は、スーパーやコンビニでも「花見弁当」が売られます。
とてもにぎやかで、たのしいイベントです。
次に紹介するのは、「桜前線(さくらぜんせん)」。
これは、桜が咲くタイミングを北から南まで地図にしたものです。
日本は南から北まで長いので、九州では3月に桜が咲きますが、北海道では5月ごろに咲きます。
この桜前線をテレビのニュースや天気予報でチェックして、「いつお花見ができるかな?」と楽しみにしている人も多いです。
三つ目の言葉は、「桜吹雪(さくらふぶき)」です。
桜吹雪は、風が吹いて、桜の花びらがたくさん舞っているようすです。
まるで雪のように見えるので、「吹雪(ふぶき)」という言葉を使います。
このようすはとてもきれいで、映画やドラマのシーンにもよく使われます。
桜吹雪の中を歩くと、まるで夢の中にいるような気分になります。
また、「桜散る(さくらちる)」という言葉もあります。
「散る」は、物がばらばらになって広がることです。たとえば、花びらが風に吹かれて落ちる様子や、葉っぱが木から落ちるときに使われます。
「桜散る」という言葉は、残念ながら試験に落ちてしまったときに使われることがあります。
たとえば、「大学に合格できなかった」というときに、「桜散る」と言います。
反対に、合格したときには「桜咲く(さくらさく)」と言います。
このように、桜は合格・不合格を表す言葉としても使われているのです。
入学や卒業のシーズンに桜が咲くので、このような表現がうまれたのかもしれません。
「桜散る」という言葉、今でも聞くことはありますが、実は昔の言葉なんです。
昔は、大学に合格したかどうかを、電報(でんぽう)で知らせることがありました。「電報」は電気信号でメッセージを送る方法です。郵便より早くメッセージを送りたいときは、電報を使いました。昔はインターネットがなかったですからね。
そのとき、不合格だった場合に「桜散る」、合格だった場合に「桜咲く」というように、短い言葉で知らせていました。
でも、今では電報を使う人は少なくて、合否はインターネットやスマホで確認する時代です。だから、この表現はあまり使われなくなってきています。
ただ、「桜散る」「桜咲く」これは、日本の文化や歴史に関係がある言葉なので、小説や映画、アニメなどの中で見たり聞いたりすることがまだあります。
また、大人の世代の人にとっては、懐かしい言葉でもあります。
みなさんも、覚えておくと、日本の文化への理解が深くなるんじゃないかと思います。
最後に紹介するのは、「花より団子(はなよりだんご)」。
これは、ただ美しい桜を見るよりも、おいしいものを食べたほうがいい。美しいものよりも、実際に役に立つものの方がいいというたとえです。
もともとは、桜の美しさを楽しまないで、食べものにばかり興味がある人を、からかう意味だったんです。花を見ないで食べてばかりだなんて、この美しさがわからないのかね?って感じ。でも、時代が変わって、外から見てきれいなものより、実際に役に立つものの方がいいという意味に変わったそうです。意味が逆になったんですね。だから、人に対して使うときはちょっと気をつける必要があります。自分のことをいうときに、たとえば、お花見に行く時に「「お弁当を買っていくのを忘れないで。花より団子だよ」みたいな言い方をします。
さて、今日は、桜に関係がある言葉をいくつか紹介しました。
花見、桜前線、桜吹雪、桜散る、花より団子。
桜は、日本の文化や言葉の中にたくさん登場します。
桜を知ることで、日本人の気持ちや考え方も少しずつわかるようになるかもしれませんね。
いま、日本にいるみなさんは、ちょうど桜を見ることができますね。
今日覚えた言葉を思い出しながら、桜を楽しんでくださいね。
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では、今日のエピソードに出てきた単語を練習しましょう。まず、単語をゆっくり読みます。そのあと、ナチュラルスピード で読みます。リピートやシャドウイングの練習に使ってみてください。WEBサイトにスクリプトがあります。スクリプトにはアクセント記号も書いてあります。アクセントはいろいろなパターンがありますので、参考としてみてください。
それでは、始めます。
1 一斉に いっせーにー
2 満開 まんかいー
3 冬景色 ふゆげ\しき
4 一気に い\っきに
5 華やか はな\やかな
6 夜桜 よざ\くら
7 桜前線 さくらぜ\んせん
8 開花予報 かいかよ\ほー
9 桜吹雪 さくらふ\ぶき
10 桜散る さくらーちる
11 電報 でんぽーー
12 花より団子 はな\よりだんごー
13 からかう からか\う
*アクセント記号は『NHK日本語発音アクセント新辞典』を参考に、「第1アクセント」(最初に覚えるならこれがお勧め)を表示しています。
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いかがだったでしょうか。
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今日も最後までお聞きいただきありがとうございました。
それでは、今日はここまで。
また次回、お会いしましょう。
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