#82 ひなまつり(前編)

みなさん、こんにちは。「てくてく日本語」日本語教師のたまです。
この番組は、日本語を勉強している人のためのpodcastです。
日本の生活や文化、日本語のことについて、できるだけわかりやすい日本語でお話します。

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3月3日はひなまつり。

ひなまつりは、日本の行事の中でももっとも古い行事のひとつです。
今回は「ひなまつり」についてお話ししましょう。

ひなまつりは女の子の成長を願う行事とされています。どうしてひなまつりは女の子の行事なんでしょうか。

もともと3月3日は、中国から伝わった厄払いをする行事の日でした。厄払いとは、悪いことが起こらないように、お祈りすることです。

今から約1000年前、平安時代には、紙や草で作った人形を川に流す「流し雛」という行事が行われていました。「流し雛」は、紙で作った人形で、自分のからだの悪いところをさわります。そしてわるいことを人形に移して、川に流します。悪いことは遠くに行け、と願う行事です。これは男女、年齢関係なく、行っていました。

一方、平安時代の貴族の女の子のあいだで、小さい人形で遊ぶ遊びが流行していました。

川に流す「流し雛」の人形と、女の子が遊ぶ人形が結びついて、子どもを守る人形を飾る、という習慣が生まれました。

そうして、江戸時代には、今と同じように豪華な人形を飾るようになったということです。

ひなまつりの時に飾る人形のことを、ひな人形、といいます。
みなさんは、ひな人形を見たことがありますか?
ひな人形は、男性と女性、ふたつの人形が並んでいます。昔の 天皇(てんのう)と 皇后(こうごう)の姿をまねしてつくられています。きれいな着物を何枚も重ねて着ています。

伝統的な飾りでは、このふたつの人形以外にも、3人の女性、5人の男性などの人形もあります。全部で、15人の人形を飾ります。ほかにも食べ物を供える道具や家具などがあります。階段のようになっている段が7段あって、そこに赤い大きな布を敷いて、人形や道具を並べて飾ります。全部並べると、とても立派で豪華な飾りです。

女の子がいる家では、2月の終わりぐらいから、ひな人形を飾る準備をします。ひな人形はとても繊細で、小さい部品がたくさんあります。ひな人形を飾るときは、注意してていねいに扱わなければいけません。

ひな人形の飾りのことを「ひな飾り」といいます。わたしが子どもの頃、うちにもひな飾りがありました。7段の豪華な、伝統的なひな飾りです。
ひな人形はとてもきれいでしたが、ひな飾りの近くで遊ぶのは、ちょっとこわかったです。もし、さわって人形を落としたりしたら、すぐ壊れてしまいますからね。
正直、ひな人形はとても高価、値段が高いものですし、飾るのもとても手間がかかります。両親は大変だったと思います。でも、子どもの頃に立派なひな人形を飾ってもらったという思い出は、わたしの心の中に大事なお守りをもらった感じがします。

みなさんは、ひな飾りを見たことがありますか?
もし日本にいれば、この時期、お店とか、美術館とか、イベントとかで、ひな飾りを見ることができると思います。約1000年前、平安時代の貴族の着物や生活が感じられるひな飾りを見て、日本の文化や歴史を感じてみてくださいね。

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では、今日の単語を復習しましょう。WEBサイトにスクリプトがあるので、利用してくださいね。スクリプトにはアクセント記号も書いてあります。アクセントはいろいろなパターンがありますので、参考としてみてください。
それでは、始めます。

1 行事    ぎょーじ
2 ひなまつり ひなまつり
3 厄払い   やくばらい
4 平安時代  へーあんじだい
5 貴族    きぞく
6 江戸時代  えどじだい
7 立派な   りっぱな
8 豪華な   ごーかな
9 繊細な   せんさいな
10 ひな飾り   ひなかざり 
11 高価     こーか
12 お守り    おまもり

*アクセント記号は『NHK日本語発音アクセント新辞典』を参考に、「第1アクセント」(最初に覚えるならこれがお勧め)を表示しています。

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いかがだったでしょうか。今回はひな祭りの由来とひな飾りについてお話ししました。次回は、ひなまつりの時に食べるものについてお話しようと思います。ひなまつりの時にはその時しか食べない特別な食べ物があります。この時期スーパーやデパートでも売られていますので、見たこと、食べたことがある人もいるかなあ。次回、お話ししようと思います。

そして、サポーターメンバーの特別エピソードのでは、昔のひなまつりと現代のひなまつりの違いとか、考え方の違いについて、話そうと思っています。

それでは、今日も最後までお聞きいただきありがとうございました。
また次回、お会いしましょう。

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