#81 「一期一会(いちごいちえ)」N3

みなさん、こんにちは。「てくてく日本語」日本語教師のたまです。
この番組は、日本語を勉強している人のためのpodcastです。
日本の生活や文化、日本語のことについて、できるだけわかりやすい日本語でお話します。
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こんにちは、みなさん。いかがお過ごしでしょうか。
2月も半分過ぎて、寒さも少しやわらいできた感じがします。ここ数日なんだか暖かくて、風もなく、おだやかで、春が近づいているなあって感じの陽気です。
今日は「一期一会(いちごいちえ)」という言葉について、お話ししたいと思います。
みなさんは、この言葉を聞いたことがありますか?
「一期一会」の「一期」は、「一生(いっしょう)」、「一度だけの時間」という意味です。「一会」は、「一回だけ会う」という意味です。なので、「一期一会」は、「一生に一度だけの出会い」、「特別な時間」という意味になります。
「一期一会」という言葉は、もともと日本の茶道(さどう)から来た言葉です。茶道では、お客様を招いてお茶を飲む「茶会」があります。この「茶会」、いつも同じ人が参加していたとしても、今日の茶会は一生に一度だけです。今、この場所で、目の前にいる人と過ごす時間は二度とない、だから、心を込めて大切に茶会に参加しなければならない、と考えました。
これが「一期一会」の由来です。
今の出会いや時間は、一度だけかもしれないので、大切にしよう、という意味です。
「一期一会」という言葉は、私たちのふだんの生活にも大切なことを教えてくれますね。
たとえば、友だちや家族と一緒にいる時間。いつもと同じように感じるかもしれません。でも、本当はその時間は「一期一会」。同じような時間があったとしても、全く同じ時間は二度とありません。そう思うと、この時間、この一瞬が、とても大切なものに思えてきますね。
たとえば旅行にいったとき、旅先で出会う人や、景色、起こったことは、「一期一会」、その時、その場所でしか出会うことができないことですよね。
「一期一会」を感じるためには、その時、その瞬間に集中することが大事です。
いま、目の前にいる人、景色、起こっていることに集中して、それが二度とないことを意識することで、その瞬間がとてもとても大切に感じられます。
わたしは、毎朝目を覚ますと、窓を開けて空を見ます。うちから見える空は、毎日違う表情を見せてくれます。真っ青に晴れた空、雨が降って薄暗い空。一日として、同じ景色はありません。天気も変わるし、季節も変わる。その一瞬一瞬が、ありがたいなあと感じます。
みなさんは、「一期一会」をどのように感じていますか?私たちの生活には、毎日たくさんの「一期一会」があります。それを意識することで、もっと楽しく、もっと豊かな人生になると思います。
今日のエピソードが、みなさんにとって「一期一会」の大切さを考えるきっかけになればうれしいです。みなさんも、「一期一会」を意識して、毎日を大切に過ごしてください。
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では、今日の単語を復習しましょう。WEBサイトにスクリプトがあるので、利用してくださいね。スクリプトにはアクセント記号も書いてあります。アクセントはいろいろなパターンがありますので、参考としてみてください。
それでは、始めます。
1 やわらぐ やわら\ぐ
2 一期一会 いちごいち\え
3 茶会 ちゃかいー
4 心をこめる ここ\ろをこめ\る
5 一瞬 いっしゅんー
6 瞬間 しゅんかんー
7 集中する しゅーちゅーーする
8 意識する いし\きする
9 真っ青 まっさ\お
10 薄暗い うすぐらいー
11 きっかけ きっかけー
*アクセント記号は『NHK日本語発音アクセント新辞典』を参考に、「第1アクセント」(最初に覚えるならこれがお勧め)を表示しています。
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今日も最後までお聞きいただきありがとうございました。
それでは、今日はここまで。
また次回、お会いしましょう。
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