#79 スキーに行ったときの話
みなさん、こんにちは。「てくてく日本語」日本語教師のたまです。
この番組は、日本語を勉強している人のためのpodcastです。
日本の生活や文化、日本語のことについて、できるだけわかりやすい日本語でお話します。
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こんにちは。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。
わたしは先日、スキーに行ってきました。
今回は、そのときの話をしようと思います。
みなさんは、スキーをしたことがありますか?
日本にはたくさんスキー場があります。
世界的にもトップクラスの数です。
世界で1位とか3位とかいわれています。
これ、スキー場の大きさによって、数え方が違うらしいです。たとえばリフトがないスキー場は数えないとか、数える方法によって、スキー場の数が違うので、ランキングも違うみたいです。
では、日本で一番スキー場が多い都道府県はどこだと思いますか?
もちろん北海道!って思いますよね?
これも数え方で違うようですが、実は、長野県が一番多い、というデータがあるんです。
あんなに大きい北海道より、長野県の方がスキー場が多い、って、ちょっと意外ですよね。
長野県のスキー場で有名なのは、なんといっても「白馬(はくば)」ですね。
たくさんの外国人観光客が来ているそうです。
白馬の雪はパウダースノーといって、ふかふかの柔らかい雪が特徴です。やわらかいので、ころんでもあまり痛くないです。
近くに温泉や、景色がきれいな観光地があるのも人気の理由です。
わたしは子どもの頃、毎年冬にスキーに行っていました。そうですねえ、小学生の時から大学生まで、ほぼ毎年、スキーに行っていました。両親が好きで、よく連れて行ってくれたんです。そのときは、長野県のスキー場によく行きました。白馬のスキー場も行きましたが、ほんとにいい雪だったことを覚えています。
今、わたしは長野県に住んでいますが、白馬からはとても遠いです。白馬は長野県の北の方ですが、わたしが住んでいるのは南の方なので、行くのに時間がかかります。
それで、先日は、うちの近くの小さいスキー場に行きました。車で下道で1時間ぐらいのところです。下道というのは、高速道路ではない、一般の道路のことです。
このスキー場は、ゲレンデが2つしかありません。ゲレンデというのは、スキーをすべることができるエリア、場所です。ひとつは初級、中級者用のゲレンデ、もうひとつは上級者用のゲレンデです。
それぞれにリフトがあります。
わたしたちが着いたのは朝8時半くらいでした。朝早かったからか、お客さんは数えるほどしかいませんでした。「数えるほどしかいない」というのは、とても少ない、という意味です。
あまり有名じゃない小さいスキー場なので、お客さんはほとんど地元の人。この近くに住んでいる人です。海外からの観光客は全然いません。
このスキー場のいいところは、スキーの道具や服のレンタルが安いことです!
ここでは【全部こみこみ2時間券セット】というチケットがあるんです。
【全部こみこみ2時間券セット】。どういう内容でしょう。ちょっと想像してみてください。
「こみこみ」とは、全部いっしょに、という意味です。
【全部こみこみ2時間券セット】の内容は、「リフト」プラス「レンタル手ぶらセット」です。
リフトはスキー場で高いところに行くための乗り物です。これに2時間乗れるチケット。乗り放題です。「乗り放題」は自由に何回でも乗ることができることです。
それから「レンタル手ぶらセット」。「レンタル」は借りることです。「手ぶら」は、何も持たないこと、何も準備しないこと。この場合は、スキーの道具や服などまったく準備しないことです。
つまり、どういうことだと思いますか?
スキーの道具、たとえば、スキー板、靴、ストック、それから服、スキーウェアですね、上着とズボン上下のセット。それから小物。帽子、手袋、ゴーグルなど。ゴーグルは雪や光から目を守るための特別のめがねです。
こういう道具や服を全部借りられるんです。だから、何も持って行かなくてもいい。何も準備しなくていいんです。

【全部こみこみ2時間券セット】では、リフト乗り放題。それに道具や服のレンタル、全部いっしょに、全部こみこみで2時間使えるチケットなんです。
これがね、いくらだと思いますか?3980円なんです。めちゃ安いでしょ?
白馬みたいな大きい有名なスキー場だったら、道具を借りるだけでも4000円とか、かかりますもんね。
まあ、その代わり、古いし、おしゃれじゃないですけどね。
2時間セットなので、もしもっとたくさん滑りたい場合は、1時間追加チケットを買うことができます。
で、このスキー場の雪質、雪質というのは雪の状態です。スキー場ではよく雪質の説明があります。さっき話した白馬の雪はパウダースノー、粉のようにさらさらな雪質です。とてもすべりやすい雪質だといわれています。
わたしが今回行ったスキー場は、ほとんど「人工雪」です。「人工雪」は、人が作った雪のことです。機械で水を勢いよく噴き出して、冷えた空気で凍らせて雪を作ります。
人工雪の雪質は、少し硬めで、ザラザラな感じです。
さて、今回、わたしはスキーをするのが久しぶりでした。去年の冬、1回だけ行きましたが、その時はあまりすべりませんでした。なので、しっかりちゃんとすべるのは、約8年ぶりぐらい。
だから、最初はおそるおそる。「おそるおそる」は、こわがりながら、ゆっくりやることです。リフトに乗るのもおそるおそる、スキーで滑り出すのもおそるおそる。
でも、3回くらいリフトに乗って滑りおりてみたら、だいぶ慣れてきました。雪質も、最初はうまくコントロールできなかったですが、だんだんスピードを出してもうまく滑れるようになってきました。
子どもの頃に練習したことや経験したことが、今でも役に立つんですね。これを「昔(むかし)とった杵柄(きねづか)」って言います。この言葉の詳しい説明は、ここで話すと長くなっちゃうので、サポーター用の特別エピソードの方でお話ししますね。
で、最初は初級、中級用のゲレンデで滑っていたんですが、だんだん、ちょろいな、簡単すぎるな、と感じてきましてね。いい気になってきました。いい気になる、っていうのは、自分がちょっと上手にできると、自分がすごいと思い込んだりすることです。
それで、上級者用のゲレンデに行ってみたんです。昔、若い頃は上級者用のゲレンデで滑っていましたから、大丈夫だろうと、思ったんです。
上級者用のゲレンデは、初級・中級者用より高いところにあります。で、リフトに乗って、上の方に行きました。かなり高いところで、もう、見える景色が全然違いました。最高です。スキーの楽しみの一つは、この、高いところから見る景色なんですよね〜。
でも、想像以上に高くて、山の斜面、スロープも急で、さすがにちょっとこわくなりました。
で、滑り始めたんですが、雪質が、初級・中級用のゲレンデと全然違ったんです!硬くて氷みたいにツルツル!曲がろうとしたら、曲がりきれずに、ころんでしまったんです。
その時、右腕と右の肩を強く打ってしまって。ごつん、とすごい音がしました。めちゃ痛かったです。
腕が痛くて、立ち上がるのも大変でしたが、なんとか立ち上がって、ゆっくりゆっくり滑っておりました。
いやあ、油断しました。「油断する」は、大丈夫だと思って注意しないことです。まさか、こんなに硬い雪だとは思いませんでした。わたし、今までスキーでころんだことがありますが、だいたい、柔らかい雪だったから、特にけがをしたことがなかったんです。こんな、ごつん、なんて音がするような雪は初めてでした。
そのあとも、ずっと腕が痛かったし、この年齢でけがをすると、いろいろ危ないので、無理をしてはいけないと思って、その日は終わりにしました。
いやあ、でも、くやしい。くやしかったです。久しぶりだったし、ふだん全然運動もしていないので、しかたないんですけど、もっとちゃんと滑りたかったなあ〜。
やっぱり無理をしてはいけないですね。若い時と同じようにからだは動きませんからね。
でも、少しでも健康に元気でいられるように、ふだんからもっと運動しよう、とあらためて思いました。
そして、やっぱり、山の上から見る景色は最高なので、またリフトに乗って、高い山にのぼりたいです。そして景色を眺めながらすべりたいなあと思いました。
はい、今回は、スキーに行った時のこと、お話ししました。
みなさんも、機会があったら、ぜひスキーに挑戦、チャレンジしてみてくださいね。
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では、今日の単語を復習しましょう。WEBサイトにスクリプトがあるので、利用してくださいね。スクリプトにはアクセント記号も書いてあります。アクセントはいろいろなパターンがありますので、参考としてみてください。
それでは、始めます。
1 スキー場 すきーじょーー
2 リフト り\ふと
3 都道府県 とどーふ\けん
4 白馬 は\くば
5 パウダースノー ぱうだーすのー\
6 下道 したみちー
7 ゲレンデ げれんでー
8 レンタル れ\んたる
9 手ぶら てぶらー
10 ゴーグル ご\ーぐる
11 雪質 ゆきしつー
12 人工雪 じんこ\ーゆき
13 ちょろい ちょろ\い
14 いい気になる い\ーきにな\る
15 斜面 しゃ\めん
16 油断する ゆだんするー
*アクセント記号は『NHK日本語発音アクセント新辞典』を参考に、「第1アクセント」(最初に覚えるならこれがお勧め)を表示しています。
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今日も最後までお聞きいただきありがとうございました。
それでは、今日はここまで。
また次回、お会いしましょう。
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