#74 日本のお正月「元旦(がんたん)」
みなさん、こんにちは。日本語教師のたまです。
この番組は、日本語を勉強している人のためのpodcastです。
日本の生活や文化、日本語のことについて、できるだけわかりやすい日本語で話します。
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2025年になりました。新しい年が始まりました。
みなさん、あけましておめでとうございます。
今年一年がみなさんにとってよい年でありますように。
さて、今回は今年最初のポッドキャスト配信になります。
何をお話ししようかな〜と考えていたんですが、やっぱり新年にちなんで、日本のお正月について、お話ししようかなと思います。
ひとことで「日本のお正月」といってもね、文化、風習、行事はたくさんあります。
今回は「元旦(がんたん)」について紹介したいと思います。
「元旦(がんたん)」
あ、でも「元旦」の話をする前に、似ている言葉「元日(がんじつ)」について、ちょっと説明しましょう。
「元日」は「一年の最初の日」のこと。つまり「一月一日」のことです。
「元日」の「元(がん)」という漢字は「一番最初」という意味なんですね。「元」という漢字を使った言葉、たとえば「元祖(がんそ)」。「元祖さっぽろラーメン」とか聞いたことあるんじゃないでしょうか。「元祖」は物事を最初に始めた、という意味で、「元祖さっぽろラーメン」といえば、そのラーメンを最初に作った人、ということになります。
なので「元日」は「一年の最初の日」ということなんです。
で、「元日」と「元旦」の違いですが
「元日」は、一月一日その日全部、丸一日、一日中のことを表しますが、
「元旦」は、一月一日の朝、のことをいいます。
「元日」は、一月一日の朝から晩まで
「元旦」は、朝だけです。
というのも、「元旦」の「旦」という漢字は、朝という意味があるからなんです。
「旦」という漢字、備考欄に書いておきますので、見てみてください。
お日様の「日」という漢字の下に「一」のような線がありますよね。
これ、地平線からお日様、太陽が昇ってきたということを表しているんです。
ね、そんなふうに見えてきませんか?
「元旦」は、一月一日の朝のことなので
たとえば「元旦の朝」とか、「元旦の夜」という言い方は、ちょっと変なんですね。
「元日の朝」「元日の夜」ならOKです。
ただ、会話の中では、一月一日のことを「元旦」と言っても、大きな間違いではないです。
なので、あまり気にすることはないですが、でも、言葉の意味を知ることは、日本の文化をより深く理解できるんじゃないかなあと思いますね。
で、「元旦」ですが、昔から一年の最初の日ということで、おめでたい、お祝いをする日だとされてきました。家族揃って「おせち料理」や「お雑煮」などのお正月の料理を食べるのがならわし、風習でした。
でもそれだけじゃないんです。昔、江戸時代までは、元旦は、みんなが一斉に、一緒に歳をとる日、だったんです。
昔、一般の人は、誕生日に歳をとるという習慣がなかったんです。生まれた日を1歳と考えて、次の元旦を迎えた時に、1歳、歳をとるという年齢の数え方をしていました。
つまり、12月31日に生まれた子どもは、生まれた日に1歳になって、次の日、1月1日には2歳になるっていうことですよね。今から思うと不思議な感じがしますよね。
お正月の行事や風習は、新年に「歳神様(としがみさま)」という神様を迎えるためのものです。
お正月が来る ということは、歳神様が来るということ。歳神様が来るということは一年分の力をもらう、つまり1歳年を取る、という考え方なのだそうです。
「元旦」という言葉一つとっても、いろいろな意味が含まれていますね〜。
日本人はお正月を大切にしている、特別な日だと考えている、ということですね。
日本のお正月の文化、風習、行事は、ほかにもたくさんあります。
興味がある人はぜひ調べてみてくださいね。
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では、今日の単語の復習です。WEBサイトにスクリプトがあるので、そちらもぜひ参考にしてください。
それでは、始めます。
1 元旦
2 元日
3 元祖
4 お日様
5 地平線
6 ならわし
7 一斉に
8 歳神様
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今回の内容は以上です。
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今日も最後までお聞きいただきありがとうございました。
それでは、今日はここまで。
また次回、お会いしましょう。
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