#69 映画「フェイブルマンズ」:8ミリカメラの思い出|”The Fabelmans”: Memories of an 8mm Camera|《造夢之家》:8毫米攝影機的回憶

みなさん、こんにちは。「てくてく日本語」日本語教師のたまです。
この番組は、日本語を勉強している人のためのpodcastです。
日本の生活や文化、日本語のことについて、できるだけわかりやすい日本語でお話します。

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みなさん、こんにちは、いかがお過ごしですか。

今日はですね、先日、Netflixで見たアメリカ映画についてお話したいと思います。映画のタイトルは「フェイブルマンズ」といいます。
この映画は、有名な映画監督スティーブン・スピルバーグが作りました。
スティーブン・スピルバーグといえば、みなさん、どんな映画を知っていますか?「ジョーズ」「E.T.」「ジュラシック・パーク」などなど、有名な映画がたくさんありますね。
「フェイブルマンズ」はスピルバーグが子どもの頃に体験したことをもとに作られています。スピルバーグの自伝的作品といわれています。

ストーリーはこんな感じです。

映画の主人公は、サミーという少年です。サミーはスピルバーグをモデルとした主人公です。サミーは、初めて映画館で映画を見たときから、映画が大好きになりました。ある日、お母さんがサミーに8ミリカメラをプレゼントします。サミーは家族や友だちと楽しい時間を過ごしながら、カメラでたくさんの思い出を撮ります。そして、映画を作る夢を持ちます。

お母さんはサミーの夢を応援してくれますが、お父さんは「それはただの趣味だ」と言います。サミーは、お母さんとお父さんの考えの違いに悩みますが、いろいろな人と出会う中で成長していき、映画監督になるという夢をかなえていく、というストーリーです

この映画、見どころはたくさんあるんですが、わたしが個人的に注目したのは、サミーが買ってもらった8ミリカメラです。

今回は、映画の内容というより、8ミリカメラについて語りたいです。

8ミリカメラ。どうでしょう、若い人は知らないかもしれないですね。
今は動画を撮影するといえば、スマホとかデジカメ、デジタルカメラですよね。ちょっと前はビデオテープを使ったカメラでした。でも、もっと昔のカメラはフィルムを使っていました。
8ミリ、というのはフィルムの幅のことです。8ミリカメラは、8ミリの幅のフィルムで映像を記録するカメラです。
日本では1960年くらいから、家庭用の8ミリカメラが普及したそうです。
わたしが子どもの頃、父が8ミリカメラを持っていて、家族旅行の時や運動会などでよく撮影していました。なので、映画でカメラを見た時、うわあ、なつかしい!と思ってワクワクしました。

8ミリカメラはフィルムなので現像するんです。「現像する」というのは、カメラで撮った写真や動画を、特別な液体や機械を使って、目に見えるようにすることです。ちょっと専門的ですね。

現像が終わったフィルムはリールに巻かれて帰ってきます。リールとは、映画のフィルムを巻いておくための道具のことです。長いフィルムをくるくる巻いて、きれいにまとめておくために使います。これを映写機にかければすぐに上映することができます。

映画のなかで、サミーはフィルムの編集をしていました。機械を使ってフィルムを切って、貼ってつなげていました。
この8ミリフィルムを編集する機械も、わたしが子どもの頃、うちにありました。すっかり忘れていましたが、映画を見て思い出しました。父が、フィルムを切ったり貼ったりしていたなあ。父はそういう細かい仕事が好きだったなあ、なんてことも思い出しました。

そして、出来上がったフィルムを、映写機にかけて上映します。部屋を暗くして、白い壁に映し出します。まるで映画のように!

こんなふうに、家庭で撮影して、映画を上映して楽しむことができたのが、8ミリカメラだったんですね。

でも、スピルバーグはやっぱり違いますね。

この映画の冒頭、最初の場面で、スピルバーグがモデルである主人公サミーは、初めて映画館で映画を見て、汽車が衝突するシーンがとても印象に残りました。そしてそれをおもちゃの汽車を使って、自分で実際に撮影するんです。それがすでに天才的な感性ですよね。
普通はカメラを持ったら、そこにいる人とか風景とかをそのまま撮影するじゃないですか。スピルバーグは、自分で場面を設定して、道具を組み立てて、演出して、映像を作り出す。ストーリーがある。わずか13歳で映画を作っているんですよね。やっぱり才能がある人は子どもの頃から違うんだなあと思いました。

スピルバーグの子ども時代が、この8ミリカメラがもっとも人気があった時代と重なったというのも、スピルバーグの才能を伸ばすことができた要因だったんじゃないかな、なんて思います。

8ミリカメラは、1970年代、テレビが普及するようになってから、使われなくなっていったそうです。ビデオカメラで撮影して、テレビで見る時代になったんです。

わが家でも8ミリカメラを使わなくなり、ビデオカメラで撮影するようになりました。8ミリフィルム、いつのまにか、なくなってしまいました。今思えば、もったいないなあ、ちゃんと管理しておけばよかったなあ、と後悔しますが、しかたないですね。

さて、そんなわけで、今回は、アメリカ映画「フェイブルズマン」ですが、映画の内容についてはほとんど話さないで、8ミリカメラについて語りました。なつかしいですね。

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では、今日の単語を復習しましょう。WEBサイトにスクリプトがあるので、利用してくださいね。
それでは、始めます。

1 映画監督
2 自伝
3 注目する
4 幅
5 現像する
6 映写機
7 上映する
8 冒頭
9 衝突する
10 感性
11 演出する
12 才能
13 要因
14 普及する

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このPodcastのスクリプトがWEBサイトにあります。
それから Youtubeでも日本語の字幕があるので、読みながら聞きたい人は、Youtubeでも聞いてみてください。自分が読みたい言語の字幕を出すこともできます。自動翻訳なので、正確ではないですが、参考として見てもらえれば、と思います。

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今日も最後までお聞きいただきありがとうございました。
それでは、今日はここまで。
また次回、お会いしましょう。

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<参考>
Netflix フェイブルマンズ

*Youtubeでは日本語の字幕もあります。自動翻訳機能を使えば、読みたい言語の字幕が出ます。


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