#50 なぜ夏に「うなぎ」を食べるの?(後編)

みなさん、こんにちは。「てくてく日本語」日本語教師のたまです。
この番組は、日本語を勉強している人のためのpodcastです。
日本の生活や文化、日本語のことについて、できるだけわかりやすい日本語でお話します。

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みなさん、こんにちは。
今回は、先週の続きで、「なぜ夏に鰻(うなぎ)を食べるの?」というテーマでお話しします。
前回の配信を聞いていない方は、ぜひ、先に前回の配信を聞いてくださいね。

前回の配信では、「土用」について話しました。
「土用」は季節が変わる前の18日間のことです。
夏の土用は、立秋の前の18日間。

ということで、今日7月19日は、土用が始まる日です。
今日から8月6日までが夏の土用です。

今年の夏の「土用の丑の日」は、7月24日、そして8月5日。2回あります。
土用の期間が18日間、丑の日は12日ごとにあるので、タイミングによって、丑の日が2回あることがあるんです。これは、その年によって違うんですけどね。

さて、いよいよ本題です。
どうして日本では夏にうなぎを食べるのでしょうか?しかも「土用の丑の日」にうなぎを食べるんでしょうか。

これには諸説(しょせつ)、いろいろな考え方がありますが、ここでは3つお話しします。

ひとつ目は、うなぎは栄養が豊富で、夏バテに効果がある、という説です。

「夏バテ」というのは、夏の暑さで、体力が落ちたり、だるくなったり、食欲がなくなったり、疲れやすくなったりすることです。
「夏バテ」の「バテ」は、動詞「バテる」からきています。語源(ごげん)、言葉のもともとの意味は、「疲れ果てる」の「果てる」です。すっかり疲れてしまう、くたびれて動けなくなる、という意味です。
たとえば、運動をして動けなくなるほど疲れた時などに使います。サッカーの試合で、後半バテて動けなくなってしまった、という感じです。
夏の暑さでバテる、これを短く縮めて「夏バテ」と言っています。

で、うなぎを食べると、その夏バテに効果がある、夏バテしにくくなる、または、夏バテから回復できる、といわれています。
実は奈良時代(ならじだい)、今から1000年以上前に、「夏痩(や)せにはうなぎを食べるといい」といわれていました。夏痩せというのは、夏に食欲がなくなって痩せてしまうことです。ま、夏バテの一種ですね。昔から夏バテ防止にはうなぎがおすすめされていたことがわかりますね。

ふたつ目は、「平賀源内(ひらがげんない)」が広めた、という説です。

「平賀源内」というのは、江戸時代(えどいじだい)の学者(がくしゃ)です。江戸時代は、夏にうなぎがあまり売れなかったそうです。困ったうなぎ屋さんが、平賀源内に相談しました。そこで源内は、「本日丑(うし)の日」とと書いて店先(みせさき)に貼ることを勧めました。

「丑の日」については、前回の配信(はいしん)でもお話ししました。昔は日にちを表すのに12種類の動物の名前を使っていました。ねずみ、牛、虎、うさぎ、辰、へび、馬、ひつじ、猿、とり、犬、いのしし、というふうに。これを十二支(じゅうにし)と言います。丑は、十二支の中のひとつです。

平賀源内は「本日丑の日」と書いて貼るように言いました。今日は丑の日ですよ、丑の日にうなぎを食べましょう、という意味です。
そのおかげで、店にお客さんがたくさん来るようになり、ほかのお店もまねするようになった、といわれています。それが、現代にも続いているんですね。

でも、どうして「丑の日」と「うなぎ」が関係あるんでしょうか。

その答えは、みっつ目の理由、丑の日に「う」のつく食べ物を食べる習慣があった、ということです。

日本では昔から、夏の丑の日に「う」のつく食べ物を食べると、からだにいいと考えられていました。
「う」のつく食べ物、たとえば、うどん、梅干し、瓜(うり)、などです。
たしかに、暑い日に冷たいうどんは食べやすいですよね。梅干しも疲労回復、疲れた時に効果があります。瓜は、胡瓜(きゅうり)とか苦瓜(にがうり)、南瓜(かぼちゃ)や西瓜(すいか)も瓜の仲間です。ちょうど夏に旬を迎える、夏に一番おいしい野菜や果物です。
平賀源内が考えた「丑の日にうなぎを食べよう」というのも、やっぱり「う」がつく食べ物だからなんですね。

はい、このように、夏の「丑の日」にうなぎが食べられるようになったのは、いろいろな説があります。

いかがでしたか?今年の土用の丑の日に、みなさんもうなぎを食べてみませんか?
うなぎが苦手なら、「う」のつく食べ物、うどんや梅干しなどでもいいですよね。
おいしく食べて、夏バテを予防しましょう〜〜。

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では、今日のエピソードに出てきた単語です。聞き取ってみてくださいね。答えはWEBサイトのスクリプトにあります。では、始めましょう。

1 諸説(しょせつ)
2 夏バテ(なつばて)
3 語源(ごげん)
4 店先(みせさき)
5 配信(はいしん)
6 十二支(じゅうにし)
7 胡瓜(きゅうり)
8 苦瓜(にがうり)
9 南瓜(かぼちゃ)
10  西瓜(すいか)

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今回は前回に引き続き、どうして「土用の丑の日」にうなぎを食べるようになったのか、お話ししました。

このPodcastを気に入っていただけましたら、フォロー・評価いただけるととっても嬉しいです。
また、リクエストや感想などのコメントもお待ちしております。
今日も最後までお聞きいただきありがとうございました。
それでは、今日はここまで。
また次回、お会いしましょう。

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前回の問題の答えです

1)今年の「土用の丑の日」は( 7 )月( 24  )日です。

2)今年の「土用」は( 7 )月( 19 )日から( 8 )月( 6 )日までです。

3)天気予報によると、今年の梅雨明けは( 7 )月( 20 )日頃のようです。

4)このPodcastを配信した日は( 7 )月( 12 )日です。

5)今年の「立秋」は( 8 )月( 7 )日です。

*上級問題

6)今年は「土用の丑の日」が2回あります。何日と何日でしょうか。
   7月24日、8月5日

7)今年は「辰年」です。来年は「巳年(へびどし)」です。さ来年は何年(なにどし)ですか。
   うまどし

8)あなたは何年(なにどし)生まれですか。

   *下の表から調べてみてください。
   *ちなみに、わたしは うさぎどし です。


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