125 ガラッと変わる日本の年末|Japan’s Sudden Year-End Switch|日本年末瞬間切換【N3】

みなさん、こんにちは。「てくてく日本語」日本語教師のたまです。
この番組は、日本語を勉強している人のためのポッドキャストです。
日本の生活や文化、日本語のことについて、できるだけわかりやすい日本語でお話します。

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今日のテーマは、「クリスマスの次の日、日本は一瞬でお正月モードに変わる」というお話です。
「クリスマスの次の日、日本は一瞬でお正月モードに変わる?」これ、いったいどういうことでしょうか?

最初に、今日のことばを少しだけ説明します。

・お正月モード/年末モード:お正月っぽい雰囲気/年末っぽい雰囲気 のことです。

・ガラッと変わる:急に、はっきり変わることです。
・切り替え:気持ちや雰囲気を変えることです。
・売り場:お店の中で商品が並ぶ場所です。
・年末特番:年末の特別なテレビ番組です。


はい、それでは「クリスマスの次の日、日本では一瞬でお正月モードに変わる」これをお話ししていきましょう。
さて、みなさんはこんな経験がありませんか?
12月、クリスマスが近づくと、街はクリスマスのイルミネーションでキラキラ。クリスマスツリーが飾られて、クリスマスの音楽が流れて、ケーキやチキンがいっぱい並んで。「クリスマスだなあ」って気分が盛り上がりますよね。

ところが、クリスマスが終わった次の日。
たとえば、12月26日に街へ行くと、びっくりするくらい雰囲気が変わります。
昨日まで街の雰囲気はクリスマスだったのに、今日はもうお正月の感じ。
わたしはこれを見るたびに、「切り替え、早っ!」って思います。

これが「クリスマスの次の日、日本は一瞬でお正月モードに変わる」様子です。

で、どんなところでそれを感じるかというと、まず、いちばんわかりやすいのが、お店ですね。

クリスマスの前は、スーパーやデパートに行くと、入口の近くにクリスマスコーナーがあります。
ケーキの予約、チキン、プレゼント、お菓子、クリスマスツリー。
どこを見ても「クリスマス!」って感じです。

でも、クリスマスが終わると、そこが急に変わります。
クリスマスツリーが片付けられて、お正月の飾りが飾られます。

昨日までケーキだった場所に、今度はお正月の商品が並びます。
たとえば、かまぼこ、伊達巻、数の子、黒豆。それから、お雑煮に入れる材料とか、おもちとか。
「年末年始の準備をしてくださいね」っていう空気になるんです。

入口のいちばん目立つ場所に、ドーンとお正月の売り場ができます。
ほんとに一気に変わるので、お店の人は大変だろうなあって思います。


次に、音と見た目も変わります。

お店の中や、街で流れるBGM。テレビやラジオで流れる音楽。
ずっとクリスマスの曲が流れていたのに、急に「お正月っぽい音楽」になったりします。
お店のポスターや広告も、クリスマスの赤や緑から、お正月の赤と白、金色の感じになっていきます。

テレビやネットの雰囲気もそうですね。
「クリスマス特集」みたいな雰囲気が終わって、今度は「年末特番」とか「今年のニュースまとめ」とか。「お正月番組」の話が増えていきます。

こういうのを見ると、気持ちもだんだん年末モードになっていきますよね。

そして、もう一つ大きいのが、家の中の切り替えです。

12月の後半は、やっぱりやることが多いです。
大掃除をしたり、いろいろ買い物をしたり、年末年始の予定を考えたり。
「今年のうちに終わらせたいこと」がどんどん出てきます。

お正月を迎えるために、飾りを出す家もあります。
たとえば、玄関にしめ縄を飾ったり、門松を置いたりします。
全部の家がやるわけではないですが、やっぱり「お正月は特別」という気持ちは、今も残っています。

どうして日本はこんなに切り替えが早いんでしょう。

まあ、理由はシンプルで、時間が短いからでしょうね。
クリスマスは12月25日まで。
そして、お正月は1月1日。
間にあるのは、ほんの1週間ぐらいです。

しかも、お正月は「一年の中でいちばん大切な日」です。
だからこそ、短い時間で一気に準備をする。
それで、街も家も、ものすごいスピードでお正月モードに変わるんだと思います。

この切り替え、ちょっと不思議ですよね。

昨日まで「メリークリスマス!」っていってたのに、今日はもう「よいお年をお迎えください」。
同じ12月なのに、気分がぜんぜん違うんですよね。
これはほんとに日本ならではの風景だなあと思います。

みなさんの国ではどうですか?
クリスマスのあと、街の雰囲気はすぐ変わりますか?それとも、ゆっくり変わりますか?
わたしは台湾に住んでいた時に、1月になってもクリスマスの飾りが飾ってあるのを見てびっくりしたことがあります。日本の感覚だと、1月にクリスマスの飾りがあるって、なんかちょっと違うなっていう感覚があるんですよね。文化の違いっておもしろいなあと思ったことです。


はい。ということで今日は、クリスマスの次の日に、日本の街が一瞬でお正月モードに変わるというお話でした。
よかったら、みなさんの年末の過ごし方も、コメントで教えてくださいね。


では、今日のエピソードに出てきた単語を練習しましょう。まず、単語をゆっくり読みます。そのあと、ナチュラルスピード で読みます。リピートやシャドウイングの練習に使ってみてください。

それでは、始めます。

No. 語彙 ふりがな(発音) 英語 中国語(繁體字)
1 一瞬 いっしゅん¯ in an instant; moment 一瞬
2 モード もー\ど mode; “vibe” / setting 模式;狀態(氣氛)
3 ガラッと変わる がらっ\と かわる¯ to change suddenly; to change completely 突然改變;一下子變了
4 切り替え きりかえ¯ switch; changeover 切換;轉換
5 目立つ めだ\つ to stand out; to be noticeable 顯眼;引人注意
6 年末特番 ねんまつ¯と\くばん year-end special TV program 年底特別節目
7 飾り かざり¯ decoration 裝飾
8 売り場 うりば¯ sales floor; display area 賣場;陳列區
9 お正月モード おしょうがつ¯ もー\ど New Year mode / New Year vibe 過年模式;新年氛圍
10 年末モード ねんまつ¯ もー\ど year-end mode / year-end vibe 年底模式;年底氛圍
11 お雑煮 おぞーに¯ New Year’s soup with mochi 雜煮(日本新年麻糬湯)
12 しめ縄 しめなわ¯ sacred straw rope (New Year decoration) 注連繩/しめ繩(新年裝飾)
13 門松 かど\まつ kadomatsu (New Year pine decoration) 門松(新年門口裝飾)
14 かまぼこ かまぼこ¯ kamaboko (fish cake) 魚板(日本蒲鉾)
15 黒豆 くろまめ¯ black soybeans (New Year food) 黑豆(新年料理)





さて、今回のポッドキャストは、今年最後の配信になります。
みなさん、今年一年「てくてく日本語のフリートーク」を聞いてくださって、ありがとうございました。
今年は実は、リスナーさんがとても増えました。スポティファイでは今年のまとめ、というのが発表されるんですけど、今年は新しいリスナーさんが5倍に増えたんだそうです。ほんとうにうれしいです。毎週コツコツと続けて、ほんとうによかったなって思っています。
来年もみなさんに喜んでもらえるようなコンテンツをいろいろ作っていきたいと思っています。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、今日はここまでとなります。みなさん、よいお年をお迎えください。
また来年、お会いしましょう。



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