118 立冬(りっとう)と冬の気配(けはい)|“Rittō” and the Signs of Winter|立冬與冬天的氣息|Learn Japanese Podcast【N3】
みなさん、こんにちは。「てくてく日本語」日本語教師のたまです。
この番組は、日本語を勉強している人のためのpodcastです。
日本の生活や文化、日本語のことについて、できるだけわかりやすい日本語でお話します。
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11月になりました。今年も残すところ2ヶ月。時が経つのは早いですね。
朝、外に出ると、空気が少し冷たく感じるようになりました。山の上の方では紅葉が始まりました。季節は、ゆっくりと冬に近づいていますね。
日本では、11月のはじめごろに「立冬(りっとう)」という日があります。今年の立冬は11月7日です。「立冬」は、二十四節気(にじゅうしせっき)のひとつです。
二十四節気とは、1年を24の季節に分けて、自然の変化をあらわした昔の暦(こよみ)のことです。「立冬」は、暦の上での冬の始まり。つまり、「今日から冬ですよ」という合図(あいず)の日です。
でも、実際の日本の11月は、まだ昼間は少しあたたかくて、「本当に冬なの?」と思う日もあります。
それでも朝晩の空気や、夕方の光の色に、少しずつ冬の気配を感じるようになります。
「気配(けはい)」という言葉は、目には見えないけれど、「なんとなく感じる」という意味があります。
たとえば、
「人の気配がする。」
はっきり見えないけれど、人がいるような気がする。という意味。
「雨の気配がする。」
実際はわからないけれど、雨が降っている感じがする。
「冬の気配がする」
まだ雪は降っていないけれど、空気の冷たさ、空の色、風のにおいから、冬を感じる。そういう小さな変化から「季節の気配」を感じるんですね。
この時期によく使う文法があります。
それは、「〜始める」という言い方です。
「〜始める」
動詞のます形に「始める」をつけると、「ある変化や行動が始まる」という意味になります。
ある動作をスタートする、たとえば食べる動作を始めることを「食べ始める」
それから自然現象、たとえば、雨が降る時ですね。空に雲がたくさんあります。風も吹いてきました。雨が降りそうです。あ、ポツポツ雨が・・・「雨が降り始めました」
こんなふうに、変化が始まったことを表します。
11月になって、寒くなり始めました。
山の上に雪が降り始めました。
木の葉が落ち始めました。
りんごが赤くなり始めました。
寒くなったので、わたしはストーブをつけ始めました。ほんとですよ。もう、ストーブをつけています。
今の時期の日本を語るのにぴったりの表現です。
寒くなると、からだがぶるぶる震えます。「ぶるぶる」これは寒さのオノマトペです。
昼間は暖かかったのに、夜になったら寒くなって、ぶるぶる震えたよ。なんて言います。
道や公園の木の下には落ち葉がたくさん落ちています。落ち葉の上を歩くと「カサカサ」音がします。
昔は、落ち葉を集めて、焚き火をして、焼き芋を焼きました。
焼き芋は「ほくほく」していておいしいですね。「ほくほく」は、焼き芋が温かくてやわらかい様子です。
では、今日の話をまとめます。
二十四節気の「立冬」は「冬の始まり」という意味です。この頃から朝晩がぐっと冷えて、冬の気配が感じられるようになります。からだがぶるぶる震えるような強い風が吹きます。山の上に雪が降って、白くなり始めると、いよいよ冬が始まるんだなあと感じます。
これからだんだん寒くなりますが、どうぞ、みなさんも体をあたためて、元気にすごしてくださいね。
では、今日のエピソードに出てきた単語を練習しましょう。まず、単語をゆっくり読みます。そのあと、ナチュラルスピード で読みます。リピートやシャドウイングの練習に使ってみてください。WEBサイトに英語の訳と中国語の訳もついています。参考にしてくださいね。
それでは、始めます。
#118「立冬と冬の気配」語彙リスト
\:下降調 ¯:平板調
| No. | 語彙 | ふりがな(発音) | 英語 | 中国語 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 立冬 | りっとー¯ | Beginning of winter (Rittō, 19th solar term) | 立冬 |
| 2 | 二十四節気 | に\じゅーしせ\っき | The 24 solar terms | 二十四節氣 |
| 3 | 暦 | こよみ\ | Calendar | 曆法/日曆 |
| 4 | 合図 | あ\いず | Signal / sign | 信號、暗示 |
| 5 | 気配 | け\はい | Indication / hint / atmosphere | 氣息、跡象 |
| 6 | ポツポツ | ぽ\つぽつ | Drizzling / little by little | 滴滴答答、慢慢地 |
| 7 | ぶるぶる | ぶ\るぶる | Shivering / trembling | 發抖、顫抖 |
| 8 | 震える | ふるえる¯ | To tremble / to shiver | 發抖、顫抖 |
| 9 | カサカサ | か\さかさ | Dry / rough (skin, sound of dryness) | 乾巴巴的 |
| 10 | ほくほく | ほ\くほく | Warm and fluffy (food) | 鬆軟溫熱的(食物) |
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最後に、ちょっとご報告です。わたくしごとではありますが、
先日、日本語を教える教師のための試験を受けてきました。Podcastの第108回でもお話ししましたが、その試験をとうとう受けてきたんです。
わたしは、以前、2018年に日本語の教師の試験に合格しました。
でも、今回の試験は、以前の試験と違います。以前の試験は民間の試験、今回の試験は国家試験です。合格すれば、国家資格がもらえます。
試験準備の時間が短かったので、合格するかどうかわかりません。
でも、合格するかどうかはともかく、今回試験に向けて勉強したことは、とてもよかったと思っています。いろいろ新しいことも学べたし、これから日本語教師としてどんな活動をしていくか、考えるきっかけにもなりました。
それに、もし合格すれば、いろいろできることも増えます。
学ぶことには終わりがありませんよね。
お金や物は、なくなったり奪われたりすることがあるけれど、学んだことや知識は、誰にも奪われない財産だ、という言葉があります。
わたしたち、そう、わたしもあなたも、学び続けているみんなは、豊かな財産をもっているということです。そう思うと、学ぶことがますます楽しくなりますよね。
わたしもみなさんと一緒に、学び続けていきたいです。
はい、今日はちょっと長くなってしまいましたが、みなさん、大丈夫ですか?
今回も最後までお聞きいただきありがとうございました。
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みなさんからのコメントもお待ちしています!
それでは、今日はここまでとなります。みなさん、よい週末をお過ごしください。
また次回、お会いしましょう。
