#106 神社とお寺|Shrines and Temples|神社與寺廟
みなさん、こんにちは。「てくてく日本語」日本語教師のたまです。
この番組は、日本語を勉強している人のためのpodcastです。
日本の生活や文化、日本語のことについて、できるだけわかりやすい日本語でお話します。
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今回は「神社とお寺」について、お話ししていこうと思います。
みなさんは日本を旅行した時に神社やお寺に行ったことがありますか。日本には神社やお寺がたくさんありますよね。日本的な伝統や雰囲気、特徴があるので、外国人の旅行者の方にはとても人気があります。
でも、神社とお寺、どちらも似ている感じがしますよね。神社とお寺は、何がどう違うんでしょうか。
今回はこの神社とお寺についてちょっと詳しくお話をしていこうと思います。この話を聞いてみなさんが今度日本を旅行した時に、神社はこんなところなんだなあとかお寺ではこういうことをするんだなあっていうのを思い出しながら、行ってもらえたらいいなと思います。
はい、ではね、まず最初に、日本の宗教について、少し説明したいと思います。
日本には昔から二つ大きな宗教があります。ひとつは神道、もうひとつは仏教です。
神道っていうのは漢字で神様の「神」と「道」って書いて「しんとう」って読むんですけれど、これはもともと日本で生まれた宗教です。自然の中、たとえば山や川、大きな岩や木などの自然の中に神様がいるって考えています。日本人は昔から自然を大切にしてきました。神社はその自然の中に居る神様を祀る、神様を大事にする場所です。
それからもう一つは仏教ですね。仏教は「仏」という字に「教える」と書いて仏教です。これはインドで生まれた宗教です。だいたい1500年ぐらい前に中国や朝鮮半島を通って日本に入ってきました。仏教はお釈迦様といってこの仏教を最初に始めた人ですねその人の教えや考えを大事にしています。お寺というのはその仏教の教えを伝える場所なんです。
神社は、日本の神様をまつっている場所、お寺は、仏教の教えを伝える場所、ということです。
ではこの神社とお寺の見た目の違い、外から見た時の、ここが違うよというところをお話します。
まず神社。神社の入り口には鳥居(とりい)があります。鳥居というのは神社の入り口に立てられている門のようなものです。神様がいる世界、神社は神様のいる場所ですから神様のいる世界と、あと人間が生活する場所を分ける、そういう役割があります。鳥居をくぐって中に入ると、そこは神様の世界なんですね。神社の奥の方に「拝殿」があります。「拝殿」は、神社に来た人たちが神様を拝む場所です。「拝殿」には賽銭箱という大きい箱があります。ここにお金、お賽銭を入れます。それから、賽銭箱の上に長いひもと鈴がある神社もあります。
一方、お寺には鳥居がありません。でも代わりに大きくて立派な門があります。これを「山門」といいます。漢字は「山」と「門」です。そして奥には「本堂」という建物があります。そこでみんなはお参りをします。本堂の中には仏像がまつられています。仏像、仏様の銅像ですね、仏像。本堂の前には、お線香を立てるところがあります。お線香は細くて長いお香のことです。火をつけると、ゆっくり燃えていい香りの煙が出ます。お寺の庭には鐘があるところもあります。鐘というのは大きな金属でできた大きな音が出るもの。あの海外でも鐘、Bellがありますよね。日本の鐘はゴーーーンという音がします。日本では、大晦日、一年の最後の日、12月31日に、除夜の鐘といって、鐘を108回つきます。仏教の考え方で、人間には108個よくない考えや思いがある、といわれています。それをなくすために除夜の鐘をつくんですね。
はい、では、次はお参りの方法について。お参りの方法の違いをお話しします。
神社ではまず鳥居をくぐる前に軽くお辞儀をします。そして参道っていうね、道を歩くんですけれども、その参道の真ん中は神様が通る道なので真ん中は通りません。人間はその参道の両脇の端っこのほうを通ります。そして「手水舎(てみずや)」といってお水が出ているところがあります。ここで、手を洗って口をすすぎます。長い棒がついているコップのようなものがあります「ひしゃく」それは「ひしゃく」といって、それで水を汲んで手を洗います。
それから、拝殿に行きます。拝殿にはお賽銭箱があります。お賽銭箱はお参りに来た人が、お金、お賽銭を入れる箱です。お賽銭は、神様への感謝の気持ちをあらわします。感謝の気持ちなので、金額は決まっていません。みなさんの気持ちで決めてくださいね。もし鈴があれば、ひもを持って鈴を鳴らします。じゃらんじゃらん。それから、2回ゆっくりお辞儀をします。そして2回手を叩きます。パンパン。最後にもう一回お辞儀をします。これが、神社でお参りをする時の方法です。
次にお寺でお参りをする方法です。お寺でも、山門をくぐる前に軽くお辞儀をします。そして「手水舎(てみずや)」で手を洗います。ここまでは神社と同じですね。お寺では、もしお線香を立てる場所があれば、お線香を立てます。お線香に火をつけた時にひとつ気をつけることがあります。お線香の先に火がついたままになることがあります。その火を消すときに、口でふっと吹いて消してはいけません。手でパタパタと、こう風を送って火を消すようにしてください。それから、本堂に行って、お賽銭を入れます。そして手を合わせて、お祈りします。お寺では手を叩きません。これも注意してくださいね。最後にもう一度お辞儀をして終わります。
神社とお寺では、お参りの方法やマナーが違いますよね。神社やお寺でお参りするときのマナー、マナーもちょっとお話しようかな。
神社やお寺では大きな音を立てないように気をつけます。やっぱり神社やお寺っていうのは神様仏様と向き合う場所なんです。それから、まあ、いろんな気持ち、いろんな思いがあって参拝に来る人がいます。いろいろ人生の中で困ったこととか、大切な思いをもってきている人も多いです。なので、そういう人たちの気持ちを大切にして、静かにしましょう、というマナーがあります。
それから。ペット。場所によっては、ペット、わんちゃんとか、いぬとか、ねことか、ペットは入れないところもあります。もしペットを連れて行きたい時にはちゃんと調べて、そこはペットと一緒に行ってもいいところなのかどうか確認してから行った方がいいと思います。
まあ、あのお寺とか神社っていうのはとてもこう伝統的な場所ですし歴史も長いので色々なこうルールとかマナーはあったりしますね。難しいなあって思ってしまう人もいるかもしれないですけれども、そんなにね、難しく考える必要もないです。神様も仏様も基本的に、誰でも来てください、誰でも受け入れますっていう大きい心がありますから。まあ気持ちですよね、その気持ち、ここは神様仏様を大事にする場所だっていうふうな気持ちを持ってお参りすればいいんじゃないかなと思います。
ええ、そして、そうですね、最後に、最後に、それぞれのね、神社やお寺の行事とかその役割の違いについてもちょっとお話してみますね。
あの、神社に行く人の場合、例えばいろいろなことをお願いします。交通安全とか健康でありますように、合格しますように、などなど、お願いする人が多いですね。それから、新年、1月1日には初詣っていうのがあって、その時にはたくさんの人が神社に行きます。あとは、そうね、ほかにもいろいろな人生の中での節目に、神社で行事を行うことがあります。結婚式を神社でする人もいます。
それからお寺ね、お寺ではお葬式や、先祖の供養をします。供養、供養っていうのは、亡くなった人たちに、安らかに眠ってください、そしてありがとうっていう感謝の気持ちを伝えることです。ちょうどいまはお盆の時期ですので、この時期にお寺に行く人も多いです。
それから、お寺によっては、坐禅や写経などの仏教の修行を体験できるところもあります。坐禅は、姿勢をきちんとして座って呼吸をして静かに心を見つめ直す。それから写経、写経はお経、仏教のまあテキストですね、それを書き写す。そういうふうな仏教の修行を体験できるところもあります。
日本人はふだん、あまり宗教を意識して生活してないんですけれども、こういう行事とか季節の変わり目の時に神社やお寺に行っていろいろなことをします。
例えば結婚式は神社、お葬式はお寺、というふうに目的によって使い分けることもあります。神道も仏教も、古い昔から長い間日本人の生活の中にあったので、日本人は自然にこの二つの宗教を生活に取り入れているんですよね。
はい、ということで神社とお寺の違いいかがでしたでしょうか。
最後に少しまとめますね
神社。神社は神道という日本の昔からの宗教で、自然の中の神様をまつっています。神社には鳥居があります。お参りする時は2回手を叩きます。いろいろな生活の中でのお願いごとをしたり人生の節目での行事をしたりします。
お寺。お寺は仏教、お釈迦様の教えを伝える場所です。山門があります。お線香を立てます。お参りする時手を叩きません。お葬式をしたり、先祖の供養をしたりします。
みなさん、日本に来たら、ぜひ神社、お寺、両方に行ってみてください。どんなことが違うかなっていうのを見つけながら歩くと、とても面白いと思いますよ。
では最後に皆さんにクイズです。お寺でおまいりする時、手をたたく回数は何回でしょうか。
1 1回
2 2回
3 たたかない
答えは3番、たたかない、です。神社では手を2回叩きますが、お寺ではたたきません。覚えておいてくださいね。
では、今日のエピソードに出てきた単語を練習しましょう。まず、単語をゆっくり読みます。そのあと、ナチュラルスピード で読みます。リピートやシャドウイングの練習に使ってみてください。WEBサイトに英語の訳と中国語の訳もついています。参考にしてくださいね。
それでは、始めます。
No. | 語彙 | ふりがな | 英語 | 中国語 |
---|---|---|---|---|
1 | 神社 | じ\んじゃ | shrine | 神社 |
2 | お寺 | おてら¯ | temple | 寺廟 |
3 | 伝統 | でんとう¯ | tradition | 傳統 |
4 | 雰囲気 | ふんい\き | atmosphere | 氛圍 |
5 | 特徴 | とくちょー¯ | feature; characteristic | 特徵 |
6 | 神道 | し\んとー | Shinto | 神道 |
7 | 仏教 | ぶ\っきょー | Buddhism | 佛教 |
8 | 祀る | まつる¯ | enshrine; worship | 祭祀 |
9 | 拝む | おが\む | pray; worship | 拜 |
10 | お線香 | おせ\んこー | incense stick | 線香 |
11 | 鐘 | かね¯ | bell | 鐘 |
12 | お参り | おまいり¯ | visit (a shrine/temple) | 參拜 |
13 | お辞儀 | おじぎ¯ | bow | 鞠躬 |
14 | 汲む | くむ¯ | draw (water) | 汲(水) |
15 | 節目 | ふしめ¯ | milestone | 人生的里程碑 |
16 | 供養 | く\よー | memorial service | 供養 |
17 | 修行 | しゅぎょー¯ | training; ascetic practice | 修行 |
今日も最後までお聞きいただきありがとうございました。
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それでは、今日はここまでとなります。みなさん、よい週末をお過ごしください。
また次回、お会いしましょう。
(注)「手水舎」の読み方は、
「てみずや」「てみずしゃ」「ちょうずや」「ちょうずしゃ」など、場所・地域によって違います。
また、「水盤舎(すいばんしゃ)」や「御水屋(おみずや)」と呼ばれることもあります。
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